クリニックブログ


7月号『70歳以上の方の高額療養費の上限額の変更について』

あさクリフリーペーパー7月号が完成し、7月2日から配布開始します。

今回の記事は、平成30年8月から変更となる。『70歳以上の方の高額療養費の上限額の変更について』です。

高額療養費制度とは、ひと月に医療機関に支払った額が高額になった場合に、定められた上限額を超えて払った額が払い戻される制度です。
今回の変更では、限度額適用認定証が発行される対象者が拡大されます。(発行には申請が必要です)

記事の70歳以上の方以外も、限度額適用認定証の発行の仕組みはあります。

厚生労働省の説明ページも参考にしてください。
高額療養費制度を利用される皆さまへ
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000210991.pdf
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000209857.pdf
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000209856.pdf

まだまだ暑い日が続きますので、皆さん熱中症に気をつけていきましょう。

あさのクリニックでは、この度、『熱中症予防 声かけプロジェクト』http://www.hitosuzumi.jp/の賛同会員となりました。
「熱中症予防 声かけプロジェクト/うるおい日本プロジェクト」に参加、応援しています。
地域で熱中症予防の声かけを意識することなど、皆さんと一緒にできることを実施していきましょう。
https://asanoclinic.com/info/2462.html

熱中症予防 5つの声かけ

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2018/06/29

家族から教わったもの

あさのクリニックの相談員です。長文になります。

先日、祖母が亡くなりました。その祖母が体調を崩してから、入院をして亡くなるまでには、いろいろ考え、そして感じることが多く、
ソーシャルワーカーとしての視点が増えたような気がします。
今回は、考えることが出来たことを少しだけ紹介します。

・忙しいから、家でみた
祖母は、自宅で私の曽祖父、曾祖母を自宅で介護して、看取っています。
その理由は『忙しいから、家でみた』ということでした。
私の実家は小さな離島にある小さな商店です。その商店の事が忙しいので、
交通の便(フェリーで病院のある本土に渡らないといけない)などを考えると
入院や入所ではなく、家で介護するしかなかった。ということでした。
この「忙しいから、家でみた」という言葉にはその時の私にはかなりの衝撃でした。

 

 

 

 


・祖母の入院
約3年前に祖母が体調を崩し、入院しました。入院中に転倒して頭を打ったそうです。
元気がなくなり、検査で慢性硬膜下血腫がわかり手術を受けました。
手術を受けたあとに見舞いに病院行きましたが、顔に力がなく、ボーっとしており、
声は出してくれるが、覇気がなく、食事も介助が必要でした。しばらくは、ぼーっとして元気がないままの日が続いたそうです。

・介護が必要になった
ずっと一緒だった祖母が、病気が原因で介護が必要になり、足に力が入らないので、ベッドから抱えるようにして車椅子へ移る必要がありました。
年齢を重ね、思いがけず、病気やけがをして、一人でできていたことができなくなり、介護が必要になった方には、仕事を通じて多く出会っていました。
しかし、自分自身の家族に起きた出来事は初めてでした。
わかっていたはずなのに、帰省する前日の夜などに、なにか悲しいというか、涙がでてしまいました。
みんなが同じではないが、家族に介護が必要になった時に、そうなって欲しくない、そうであってほしくないと思い、
それを受け入れる事のできない感情になるのではないかと、気づくことができたように思います。
『あたり前の事』かもしれないけど、『受け入れる』には時間が必要なのだと気づくこともできました。。

・その人にとって大切な事
その後、祖母は徐々に元気になり、話もできるようになり、表情や話し方が元気な頃の祖母なりました。
リハビリで介助をすれば歩けるようにもなってきていました。
祖母は入院前は、毎朝仏壇にお経をあげていました。2年前のお盆前に、墓や仏壇の事を聞いたら、
『参りたいけど、これじゃ(介助がないと歩けない)無理じゃろ』との言葉が返ってきました。私はお盆には墓参りと仏壇に参ることを約束し、
その年のお盆に、その約束を果たしました。
当日、病院に迎えに行き、約1年ぶりの外出。『もう参れんかと思っとたけど』と言い、お墓に手を合わせた後、約1年ぶりの家に帰り、仏壇にお経を上げていました。仏壇に向かって、『おかげさまで、参らせてもらいました。ありがとうございます。なんまんだぶ(南無阿弥陀佛)』と仏壇へ伝えている言葉が印象的でした。祖母にとって、お墓、仏壇というものが、祖母にとって大きな存在であるのではないかと感じました。

・知っている事と知らない事
墓参りと仏壇のために外出の時には、元気になってきていた祖母。
入院リハビリで、シルバーカーを使えば、少しの介助でゆっくり歩くことができていた。
その姿を見ていたので、外出は介助があればできると私は大丈夫と思っていた。
しかし、親、姉は、外出には反対ではないが、『できんじゃろ』と言って不安になっていた。
一人では歩けない祖母を介助すること、それも病院の外で自分たちが介助することは怖かったようでした。
介助をしながら一緒に歩くことを『知っている』私。介助しながら一緒に歩く経験がほぼなく、『知らない』親と姉。
退院や在宅生活を支援する専門職は、経験から良くなっている。できると考える。
しかし、思いがけず介護される事になった方、思いかけず介護をする事になった方は、どのようにすればいいのかイメージができないので不安がある。
この両者の気持ちには差があることを、自分の家族とのやり取りを通じて、実体験として感じる事ができました。

その後リハビリで順調に改善し、自宅に退院をしましたが、体調を崩し、また入院となりました。

・病名を告知すること
検査で癌がみつかり、手術や抗がん剤などの治療は難しいと判断され、症状を軽減する処置をうけ、
本土にある大きな病院から、地元の病院に戻りました。
私は、親から祖母には癌である、治っていないからまた熱がでることもあることは伝えている。と聞き、
いわゆる癌の告知は受けていることを親からは聞いていました。
病院に見舞いに行った際に祖母と話をしました。癌の告知は受けていると聞いていましたが、その時『癌』という言葉を使うことはできませんでした。「おばあちゃん、病気はなんじゃったん?どうじゃった?」と聞いた返事は、「お腹の方が悪かったらしいけど、治ったで」でした。
もう少し、突っ込んで聞きたい自分もいましたが、そんなもんだと思い、それ以上病気のことの話をしませんでした。
家にもどり、親にどういう言い方で伝えているのかを確認すると、「悪いもんが見つかった」ことを言っているとのことでした。
その後、職場の勉強会で、『医療をするものうけるもの』という村上智彦先生と西村元一先生の対談のDVDをみました。
その中で、西村先生が「癌という言葉は医療者にとっては単なる病名であるが、市民(患者)にとっては“いのち”に通ずる病名以上の意味がある。」
「“ありふれた”病気のはずだが、なぜか“ありふれていない”」とおっしゃっている場面があり、医療者と市民との意識の差を家族の立場で体験した気持ちでした。

(医療をするものうけるものDVD写真)

 

 

 

 

 

 

 

仕事をする中で、なぜ告知していないのか、なぜしないのかと思ってしまいがちでしたが、病名によっては、
告知を受けること、それを家族から本人に伝えることは、とても『力』のいる事なんだろうと思いました。

・「かわいいね」といわれること
病状が安定した祖母は、一度老健に入所しましたが、発熱し、処置を受けた病院に再入院し、
前回と同じように症状軽減の処置を受け、地元の病院に戻ってきました。
徐々に体力などは落ちており、歩けなくなり、元気がない日や家族の顔がわかったり、わからない日があるようになりました。
少しボーットしているが、会話はできる祖母。ある時に面会の後に「おばあちゃん、かわいかったね」と自分の家族に言われました。
普段、仕事ではきっと気にすることもなく、高齢者に対して、「かわいい」という事を使ったり、聞いている言葉だと思います。
しかし、この時の「かわいい」という言葉に、すごく心が揺さぶられた自分がいました。
それは、好感触の感情ではなく、祖母を「かわいい」と表現される事に対しての拒否反応でした。
良かれと思って言った言葉が、言われた側にはそうでない時があることは分かっていましたが、
この「かわいい」と祖母が表現されてしまうことは、どうしても受け入れることができませんでした。
仕事を通じて関わるご家族は、それぞれ、夫・妻・母親・父親などの介護者である方が多いです。
その介護者と共に歩んできた夫・妻、育ててくれた母親・父親などに、「かわいい」と言ってしまっているのではないか、
それを言われた家族はどんな気持ちになるのかを考えさせられる機会となりました。

・意外な言葉
ある程度落ち着いていた時に、墓参りを提案したとき、「長いこと参っとらん、バチあたりしゃけぇ、参ることはできん」と返事でした。
歩けないから、迷惑をかけるから、という言葉ではなかったことは印象的でした。
この言葉は、率直に“仏さんにもうしわけない”という気持ちだったのだろうかわかりませんが、結局、墓参りは実現しないままになってしまいました。

徐々に、声かけても反応をしなくなり、急な体調悪化などでバタバタした時期もありましたが、最後は、長年通院をし、主治医のいる地元の病院で、
亡くなりました。

今回の祖母が病気になってから起きたいろいろな出来事は、医療機関のソーシャルワーカーをしているからなのか、それとも年齢を重ねたからなのかはわかりませんが、いろいろ考える機会となりました。

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2018/06/26

熱中症予防 声かけプロジェクト

あさのクリニックは
『熱中症予防 声かけプロジェクト』に参加・応援しています

地域で熱中症予防の声かけを意識し、みなさんと一緒に出来ることを実施していきます。
月曜~金曜日の午前中と、外来診療をしていない午後2時~午後5時30分は、クリニックの待合を暑さをしのぐ休憩場所として、活用いただけます。(火曜日は午後5時~午後6時30分外来診療です)
クリニック待合には、ウォーターサーバーも設置していますので、水分補給にご利用ください。
 

 

熱中症予防 5つの声かけ

あさのクリニックは『熱中症予防 声かけプロジェクト』http://www.hitosuzumi.jp/の賛同会員です
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2018/06/12

あさクリフリーペーパー6月号が完成しました。

あさクリフリーペーパーは完成しました。

今回はテーマは、熱中症です。
先月5月から、暑い日増え、熱中症での搬送についてのニュースを耳にしている方も多いのではないでしょうか。

これからは、さらに暑い日が増えていきます。日中だけでなく、夜間にも注意が必要です。
脱水について、年中気にかけておく必要があるものではありますが、これからの時期はより一層注意が必要です。

 

あさのクリニックでは、この度、『熱中症予防 声かけプロジェクト』http://www.hitosuzumi.jp/の賛同会員となりました。

「熱中症予防 声かけプロジェクト/うるおい日本プロジェクト」に参加、応援しています。
地域で熱中症予防の声かけを意識することなど、皆さんと一緒にできることを実施していきましょう。
 

  

 

 

 

あさのクリニックは、月~金の午前中と火曜日は17時~18時30分が外来診療時間ですが、外来診療をしていない14時~17時30分の時間には、、クリニックの待合を暑さをしのぐ休憩場所として活用していただけるようにしています。
ウォーターサーバーもあります。水分補給もできますので活用ください。

 

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2018/06/02

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(案)が公開されています。

新聞やニュースでご存知の方もいらっしゃると思いますが、

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン (案) が公開されて、厚生労働省では意見募集をしています。

厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室 の平成30年4月20日の 『認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイド ライン(案)に関する意見募集について 』http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000173390 には、
平成28年5月に施行された成年後見制度の利用の促進に関する法律(平成28年法 律第29号)に基づき、平成29年3月に策定された成年後見制度利用促進基本計画に おいて、「意思決定の支援の在り方についての指針の策定に向けた検討等が進めら れるべき」とされたことを踏まえ、これまで行った老人保健健康増進等事業におけ る認知症の人の意思決定支援に関する指針策定のための意思決定に関する研究を 基に、今般「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン (案)」を作成しました。
とあります。

このガイドラインは、中京大学の稲葉教授が研究代表者であり、中京大学のホームページでも紹介されていました。
https://www.chukyo-u.ac.jp/research_2/news/2018/04/012670.html

研究事業の名称は、日常生活や社会生活等において認知症の人の意思が適切に反映された生活が送れるようにするための意思決定支援のあり方に関する研究事業』とあります。

ガイドラインの中には、
・ 普段から、我々⼀⼈⼀⼈が⾃分で意思を形成し、それを表明でき、その意思が尊重され、 ⽇常⽣活・社会⽣活を決めていくことが重要であることは誰もが認識するところである が、このことは、認知症の⼈についても同様である。 

・ 誰の意思決定⽀援のためのガイドラインか
  ○ 認知症の⼈(認知症と診断された場合に限らず、認知機能の低下が疑われ、意思決定能 ⼒が不⼗分な⼈を含む。以下、「認知症の⼈」 ないし「本⼈」という)を⽀援するガイド ラインである。

・ 誰による意思決定⽀援のガイドラインか
 ○ 特定の職種や特定の場⾯に限定されるものではなく、認知症の⼈の意思決定⽀援に関わ る全ての⼈(以下「意思決定⽀援者」という)による意思決定⽀援を⾏う際のガイドラ インである。
 ○ その多くはケアを提供する専⾨職種や⾏政職員等であるが、これだけにとどまらず、家 族、成年後⾒⼈(脚注ⅲ)、地域近隣において⾒守り活動を⾏う⼈、本⼈と接し本⼈をよ く知る⼈などが考えられる。
 ○ ケアを提供する専⾨職種や⾏政職員の例として、医師、⻭科医師、薬剤師、看護師、ケ アマネジャー、相談⽀援専⾨員、⽣活保護ケースワーカー、保健師、精神保健福祉⼠、 ⺠⽣委員、社会福祉施設、医療機関、認知症初期集中⽀援チーム、認知症地域⽀援推進 員、認知症疾患医療センター、介護サービス事業所、障害・福祉サービス事業所、訪問 看護ステーション、市町村などが考えられる。

・ 意思決定⽀援とは何か(⽀援の定義)
 ○ 認知症の⼈であっても、その能⼒を最⼤限活かして、⽇常⽣活や社会⽣活に関して⾃ら の意思に基づいた⽣活を送ることができるようにするために⾏う、意思決定⽀援者によ る本⼈⽀援をいう。
 ○ 本ガイドラインでいう意思決定⽀援とは、認知症の⼈の意思決定をプロセスとして⽀援 するもので、通常、そのプロセスは、本⼈が意思を形成することの⽀援と、本⼈が意思 を表明することの⽀援を中⼼とし、本⼈が意思を実現するための⽀援を含む。

・意思決定⽀援者は、認知症の⼈が、⼀⾒すると意思決定が困難と思われる場合であって も、意思決定しながら尊厳をもって暮らしていくことの重要性について認識することが 必要である。
 ○ 本⼈への⽀援は、本⼈の意思の尊重、つまり、⾃⼰決定の尊重に基づき⾏う。したがっ て、⾃⼰決定に必要な情報を、認知症の⼈が有する認知能⼒に応じて、理解できるよう に説明しなければならない。
 ○ 意思決定⽀援は、本⼈の意思(意向・選好あるいは好み)の内容を⽀援者の 視点で評価し、⽀援すべきだと判断した場合にだけ⽀援するのではなく、まずは、本⼈ の表明した意思・選好、あるいは、その確認が難しい場合には推定意思・選好 を確認し、それを尊重することから始まる。 ○ 認知症の⼈は、⾔語による意思表⽰が上⼿くできないことが多く想定されることから、 意思決定⽀援者は、認知症の⼈の⾝振り⼿振り、表情の変化も意思表⽰として読み取る 努⼒を最⼤限に⾏うことが求められる。

など、多く認知症に関わる支援者にとって、大切な事がガイドラインには記載されています。

最近は、『人生最終段階の意志決定支援』という言葉をよく聞きますが、今回のガイドラインの『認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援』という日常生活という部分に目を向け、私たちが日々行っている、医療・介護等の支援の方法や姿勢などを振り返る機会になるのではないかと、個人的に感じました。

ガイドラインは以下の2つのサイトで確認できます。

中京大学老人保健健康増進事業の成果報告についてのページ https://www.chukyo-u.ac.jp/research_2/news/2018/04/012670.html
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(案)

電子政府の総合窓口e-Gov(イーカブ)のページ
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン (案)

 

 

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2018/05/17

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