認知症について
もの忘れと認知症について
最近はテレビなどの報道でも取り上げられることが多く、認知症という言葉も広く知られるようになりました。もの忘れがあると、自分や家族が認知症になってしまったと不安になる方も多くいらっしゃいます。しかし、もの忘れは、正常な脳の老化現象でも起きる場合があり、疾患としての認知症ではなく、自然なことという場合もあるのです。自分や家族のもの忘れがどちらなのか、ご不安な方も多いと思いますので認知症と加齢によるもの忘れの違いについて説明してみましょう。
もの忘れはなぜ起きるのでしょうか?
私達の脳には無数の神経細胞があり、複雑な情報をやりとりしています。神経細胞は体を動かす司令を出したり、生命活動としての呼吸や心臓を動かすだけではなく、日々経験した事からいろんな事を学んだり、言葉を話したり、感動したり、今日の出来事を記憶する働きもあります。
しかし、脳の成長・発達は20歳ぐらいまでで終わってしまい、その後は徐々に神経細胞の数が減り、小さくなって能力が低下していきます。それに伴い記憶する力も徐々に退化してしまうのです。
しかし、脳の成長・発達は20歳ぐらいまでで終わってしまい、その後は徐々に神経細胞の数が減り、小さくなって能力が低下していきます。それに伴い記憶する力も徐々に退化してしまうのです。
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40~50代のまだ若い方でも、どこに置いたかしら?などうっかり忘れてしまったという経験がある人は多いのではないでしょうか。
若い方でも、もの忘れはあるのですから、70代、80代の年齢になれば、もの忘れをする事自体、珍しいことではないのです。
加齢によるもの忘れと病的なもの忘れの違いとは?
加齢によっても、もの忘れは起きますが、病的なもの忘れが起きる場合があります。甲状腺ホルモンの低下やミネラルの異常、ビタミン欠乏など内科的な病気や、うつ病(うつ状態を含む)など精神科的な病気、その他慢性硬膜下血腫や水頭症など脳外科的な治療を要する病気もありますが、最も頻度が多いのはアルツハイマー型認知症を代表とする神経の変性によって起きる認知症です。
アルツハイマー型を代表とする認知症には、もの忘れの仕方に特徴があるので、認知症によるもの忘れと加齢によるもの忘れの違いについて説明してみましょう。
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例えば、誰かに今朝何を食べたか聞かれたとします。
加齢によるもの忘れなら、メニューの一部が浮かんでこなくて、何だったかなと考えてしまう事があります。
しかし「たまごはあった?」などヒントをもらうと、「そうそう、たまご焼きと納豆があった」など思い出す事ができます。でも認知症のもの忘れでは、「朝ごはんを食べてない」となるのです。メニューではなく、食べたという体験自体を忘れてしまうのです。
加齢によるもの忘れ | 認知症によるもの忘れ | |
---|---|---|
原因 | 老化 | 病気 |
もの忘れの特徴 | 体験の一部を忘れる | 体験ごと忘れる |
もの忘れの自覚 | あることが多い | ないことが多い |
日常生活 | 支障がない | 支障がある |
症状の進行 | ゆっくり | 早いことがある |
加齢は自然なこと
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加齢によるもの忘れは、正常な脳の老化なので、特別な治療の必要はありません。
しかし、加齢とともに困ることが出てきた際は支える仕組みを強化したり、支援者を増やすなど対応していくことになります。
認知症は脳の病気
認知症は脳の病気なので上記に加えて、様々な治療が効果的なことがあります。
認知症は大きく分けて、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、血管性認知症、その他の認知症に分けられますが、もの忘れが早期から目立つのは、アルツハイマー型です。
認知症は大きく分けて、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、血管性認知症、その他の認知症に分けられますが、もの忘れが早期から目立つのは、アルツハイマー型です。
アルツハイマー型の場合は、治療により進行を遅らせることが期待できるというお薬があります。お気軽にご相談ください。
また、他の認知症の場合や認知症以外の病気の場合は適切な対応で生活の質を改善できることがあります。
当院では、スタッフ一丸となって質の高い生活指導や福祉との連携、サプリメントのご紹介を含めた総合的な支援を行ってまいります。お気軽にご相談ください。
また、他の認知症の場合や認知症以外の病気の場合は適切な対応で生活の質を改善できることがあります。
当院では、スタッフ一丸となって質の高い生活指導や福祉との連携、サプリメントのご紹介を含めた総合的な支援を行ってまいります。お気軽にご相談ください。