クリニックブログ
2月号 フリーぺーパ―(令和7年 2025年)
土用の期間
あさのクリニック管理栄養士です。
GWが終わりました。みなさん体調はいかがでしょうか?
5月のGW明け頃、心身に不調を来した状態のことを「五月病」と言います。
五月病が初めて医学会で発表されたのは1961年。アメリカの精神科医が入学から1か月ほど経過した大学生に見られる無気力、無関心など軽いうつ症状を報告しました。その後日本では1968年に流行語になりました。
4月に就職や入学、異動やクラス替えなどの環境変化があり、その環境に適応できないと5月のGW明け頃から気分の落ち込み、不眠、食欲低下などの症状が出はじめます。
特に環境の変化もないけど、なんとなく体調不良がある…という方は、もしかしたら「春の土用」が影響しているかもしれません。
夏に土用の丑の日にウナギを食べることは一般的ですが、春夏秋冬すべてに土用の期間があります。
2025年の土用
・冬の土用:1/17~2/2(立春:2/3)
・春の土用:4/16~5/4(立夏:5/5)
・夏の土用:7/19~8/6(立秋:8/7)
・秋の土用:10/20~11/6(立冬:11/7)
土用の起源は、古来中国から伝わる「陰陽五行説」に由来します。
陰陽五行説では、自然界は木・火・土・金・水の5つの要素から成り立っているという思想です。
季節もこの5つの要素に当てはめて、春:「木」、夏:「火」、秋:「金」、冬:「水」、「土」は季節の変わり目である立春、立夏、立秋、立冬の前18日間に割り当てられました。
昔から土用の期間は季節の変わり目で、体調を崩しやすい時期でもあるため、季節にあった食養生が行われていました。
春:土用の「戌」の日
「い」のつく食べ物:いわし、いちご、イカ、インゲン豆、芋など
白い食べ物:大根、カブ、しらす、豆腐、ご飯、お餅など
夏:土用の「丑」の日
「う」のつく食べ物:うなぎ、瓜、梅干し、うどん、馬肉など
黒い食べ物:うなぎ、ひじき、シジミ、ナス、黒豆、黒砂糖、黒ゴマなど
秋:土用の「辰」の日
「た」のつく食べ物:玉ねぎ、タコ、大根など
青(緑)の食べ物:青魚(サンマ、サバ、イワシなど)
冬:土用の「未」の日
「ひ」のつく食べ物:ひらめ、ヒラマサ、ひらたけ、ひよこ豆など
赤い食べ物:トマト、パプリカ、りんごなど
春の土用は終わりましたが、あっという間に夏の土用がやってきます。
今年の土用の丑の日は2024年と同じく2回あり、7/19(土)と7/31(木)です。
1回目の丑の日を「一の丑」、2回目の丑の日を「二の丑」と呼びます。
毎年うなぎの値上がりが気になるところですが、うなぎだけでなく、うどん、梅干し、ひじきなど手頃な食材を取り入れて季節の変わり目を元気に乗り切りましょう!
セミナー報告(2025年2月13日開催)
相談員です。
2025年2月13日、医療法人梁風会さきがけホスピタル 診療支援部 部長の河合宏さんを講師にお招きし、
セミナー「~復興・復旧に心を寄せ続ける~ 行ってきた!精神保健福祉士が行う災害支援の心構えと葛藤」
を開催しました。
河合さんとの出会いは、ソーシャルワーカーの団体で共同開催された「ソーシャルワーカーデー」の実行委員会でのご縁がきっかけでした。その後、各地で災害が発生した際には、支援の状況を教えていただくなど、さまざまなことを学ばせていただいてきました。
そんなご縁が続く中で、「いつかは講師をお願いしたい」と話していた企画が、今回ようやく実現しました。
講演では、
- 日常業務の中にいる自分たちが、それぞれの立場から災害支援に関わることができるということ
- 災害が起きたとき、現地に赴く人もいれば、日常業務を支える人もいる。それぞれが支援の一端を担っていること
- 災害とは何か、そして被災した方々の心理状態の変化について
- 精神保健福祉士が災害時に取り組む活動の類型(生涯研修制度共通テキスト[改訂第2版]P.174参照)
などについてお話しいただきました。
また、河合さんご自身の実体験を通じて、「災害支援とは何か」「精神保健福祉士として何ができるのか」を深く語っていただきました。
現地で支援にあたる際の「姿勢」「言葉」「心構え」についても、丁寧にご紹介いただき、「やりたいことをするのではなく、現地が求めることをする」
という支援の原則についても強調されていました。
また、支援者を支えるという視点の重要性や、日本精神保健福祉士協会が実施している事前の打ち合わせや振り返りといった支援体制についても学ぶことができました。
最後に、「備え」として最も大切なことは「日常のつながり」であり、それは平時における連携・協働の積み重ねであるというメッセージをいただきました。災害時も、日頃の関係性が力となり、個人や一つの職場、ひとつの職能団体だけでできることには限りがある、という現実にも触れられました。
今回のセミナーは、非常に示唆に富む貴重な学びの機会となりました。
災害支援というテーマを通じて、私たちはあらためて日常の暮らしや業務に目を向けることができました。このお話は、精神保健福祉士をはじめとする福祉専門職だけでなく、日ごろから人を支援する立場にあるすべての方にとって、大切な視点を得る機会となったと感じています。
見学来院報告(2025年3月)ごちゃまるクリニック 看護師 萩原四季さん
総務Nです。
石川県輪島市にある『ごちゃまるクリニック』の看護師萩原四季さんが、3月21日に倉敷市で開催される講演会のため、前日に来岡されてあさのクリニックの見学に来てくださいました。
岡山県での西日本豪雨の経験と石川県での地震と豪雨の経験から、「防災・減災」についても考え、交流により繋がることができた、とても大切な時間を過ごさせていただきました。
輪島市に帰られてからいただいたお言葉を紹介させていただきます。
感想紹介
ごちゃまるクリニック 看護師 萩原四季様
クリニックの見学もさせていただいて、とても充実した時間を過ごすことができました。
皆様との交流を通して、私自身とても癒されましたし、これからまた頑張っていこうと思える活力をいただきました。
素敵なご縁をいただいたことを心から嬉しく思っております。
見学来院報告(2025年3月)S県立大学4年 K様
総務Nです。
管理栄養士を目指す大学生のK様が見学に来られ、感想をいただきました。
外来での栄養指導はもとより、居宅を訪問しての栄養指導にも同行いただきました。
訪問栄養指導の見学ができる施設を自ら探し、他県から見学に来てくださり、選ばれたこちらも身の引き締まる思いでした。
これから社会に出てご活躍されるにあたって、今回の経験が少しでもお役に立てればと思います。
感想紹介
外来の栄養指導では、管理栄養士の先生が患者さんと信頼関係を築いて、話をしている姿が印象的でした。食事のことだけでなく、家族や運動の話など多方面から患者さんの状況を把握し、栄養指導をされていました。食事内容の指導の際には、どの食材を食べたら良いか、減らした方が良いか、ということを伝えるだけでなく、どのように調理するか、既存の料理に追加できるかなど患者さんが実践しやすいような指導をすることが大切だと感じました。また、その際には患者さんと一緒に考えながら提案することで、一方的な指導にならないことを学びました。
訪問の栄養指導では、どのような食材を購入しているかだけでなく、その食材を使用して食べているかや、調理器具は何を使って、どのように調理をしているかなどより細かな部分を見たり、聞いたりしていました。そのことを踏まえての栄養指導なので訪問ではより具体的で的確な指導ができると感じました。また、独居の患者さんにとっては元気に暮らしているか、怪我などをしていないかの確認にもなることを知りました。
私は今回、初めて栄養指導を見学したので、驚きの連続でした。座学では学ぶことのできない多くのことを学びました。また、患者さんも様々な方がいらっしゃるので、個々に対しての栄養指導の大変さを改めて感じました。
今回の見学は、本当に貴重な経験となりました。管理栄養士の先生をはじめ、あさのクリニックのみなさん、本当にありがとうございました。