紫外線対策について
あさのクリニック管理栄養士です。
本格的に暑くなってきましたが、暑さ対策、熱中症対策はされていますか?
水分補給については2024年7月のブログ「水分補給」を御覧ください。
熱中症対策だけでなく、紫外線対策も必須です。
紫外線は肌へのダメージだけでなく髪や目にも影響します。
紫外線
紫外線には『UV-A』『UV-B』『UV-C』の3種類がありますが、『UV-C』はオゾン層で吸収され地上に到達しません。
地上に到達するのは『UV-A』と『UV-B』です。
『UV-A』は、肌の奥の真皮まで届いて肌老化の原因になります。急激な炎症を起こすことはありませんが、対策をせず長期的に浴びるとシワやたるみの原因になります。
室内や窓ガラスも通過し、1年を通して地表に届く量が多く、日差しの強くない季節でも油断は禁物です。
『UV-B』は、赤くなってヒリヒリした炎症や水ぶくれを引き起こします。日焼け後にメラニンの生成を促進し、シミやそばかすの原因となるだけでなく角層の保湿力を低下させ、肌のカサつきやキメの乱れなどの悪影響をもたらします。夏に特に強くなりますが、春先から量が急増します。
日焼け止め表示
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SPF(Sun Protection Factor)
主に『UV-B』を防ぐ指標。
数字は何倍の時間、日焼け(赤くなる)を防げるかの目安です。
例えばSPF30は、何も塗らないときの30倍の時間UV-Bを防ぐことになります。
SPF1あたり約15~20分の効果。SPF30で約7~10時間の保護が可能。 -
PA(Protection Grade of UVA)
『UV-A』の防御力を示す指標。
「+」が多いほどUV-Aカット効果が高いとされています。
PA+:効果あり
PA++:かなり効果あり
PA+++:非常に効果あり
PA++++:きわめて高い効果
紫外線による髪の毛への影響は、キューティクルが破壊されてパサつきや枝毛、艶が低下したり、カラーリングの退色、抜け毛・かゆみ・乾燥の原因にもなります。
髪用のUVカットスプレーをしたり、帽子や日傘を使って紫外線から守りましょう。
目への影響は、紫外線が角膜を傷つけて、炎症や痛み(紫外線角膜炎)の原因になり、長期的には白内障や黄斑変性症のリスクを高めます。
また、目から入った紫外線が肌のメラニン生成を促します。
サングラスをかけることで簡単に目を保護することが可能ですが、サングラスの色の濃さではなくUVカット率が重要です。UV400や紫外線99%以上カットと表示があるものがおすすめです。
サングラスの色が濃すぎると目は暗い場所にいると判断して瞳孔を開きます。サングラスの色が濃いだけでUVカット機能がついていないと、かえって多くの紫外線が目の奥まで入り込み白内障など目の病気のリスクが上がります。サングラスのUVカット機能の耐久年数は一般的に約2~3年が目安とされています。UVカット加工は紫外線にさらされるたびに少しずつ劣化します。
日焼け、シミ予防に効果的な栄養素と食材
ビタミンC
メラニンの生成を抑制し、シミ・くすみ予防になります。抗酸化作用で紫外線ダメージから肌を守ります。
食材:キウイ、いちご、パプリカ、ブロッコリー、カカドゥプラム
ビタミンE
血行促進と抗酸化作用で肌のターンオーバーを助けます。ビタミンCと一緒に摂ると効果アップします!
食材:アーモンド、ひまわりの種、アボカド、うなぎ、かぼちゃ
βーカロテン(ビタミンA)
紫外線によるダメージを軽減し、肌を健康に保ちます。
食材:にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、小松菜
リコピン
強力な抗酸化作用でUVダメージから細胞を守ります。加熱すると吸収率がアップします。
食材:トマト(トマトジュースや加熱調理がおすすめ)、すいか
ポリフェノール
抗酸化作用で肌老化の原因となる活性酸素を除去します。
食材:ブルーベリー、赤ワイン、カカオ、緑茶
日焼け後におすすめの食べ物
- ヨーグルト(タンパク質+乳酸菌)
- 納豆・豆腐(イソフラボン+たんぱく質)
- 鮭・まぐろ(アスタキサンチン、ビタミンB群)
外側からの日焼け止め対策+内側からの抗酸化食材摂取のWケアはとても効果的です!
カカドゥプラムはオーストラリア原産のスーパーフルーツで世界で最もビタミンC含有量が高い果実として注目されています。
ビタミンC含有量は100gあたり約3,000mg~5,000mg以上で、レモンの50~100倍です。
抗酸化成分であるポリフェノール、エラグ酸、フラボノイド類が豊富で肌老化やシミの原因となる活性酸素除去に役立ちます。
最近カカドゥプラムエキス配合のクリームを見つけて即買いしました。
効果を期待して今年の夏はカカドゥプラムクリームをしっかり塗りこもうと思います!
災害時のトイレ事情
あさのクリニック管理栄養士です。
昨年9月のブログで防災の日にちなんで備蓄の話に触れましたが、皆さん備蓄はすすんでますか?
私はセール期間を利用して、水、羊羹、レトルト食品、パックご飯などを購入してみました。
長期保存のできるα米や缶詰などを購入したいところですが、長期と言えど食べずに保存期間が過ぎてしまうのは勿体ないし、おいしく食べられるのか?そして何より少し高価である、、、、という理由から手を出せずにいます。長期保存食の試食ができたらいいですね。
私たちの身体には、食べることと同じくらい大切なことがあります。それは「排泄」です。
食べると当然のことながら排泄します。
実は災害時に1番必要になるのはトイレだそうです。喉の渇きや空腹感は多少の我慢は可能ですが、排泄という生理現象は我慢することは不可能です。
排泄を我慢してしまうと尿路感染症や便秘など身体へ影響が及びます。トイレを我慢するために水分摂取量を減らしてしまい、エコノミー症候群へとつながる可能性もあります。
仮設トイレも食料や水と同じく、避難所にすぐ届くわけではありません。そこで必要になるのが携帯トイレです。
携帯トイレには様々な種類があります。例えば、既存の便器に袋をかけて吸水シートや凝固剤を入れて使用するものや、段ボール製で組み立て式になっているもの、さらに袋状になっているものなど様々です。
携帯トイレは何回分必要?
では携帯トイレをどれくらい備蓄しておけばよいのでしょうか?
一般的に一人当たりのトイレ回数は1日5〜7回くらいと言われています。
ここから各ご家庭の人数に合わせて携帯トイレの必要数を計算できます。
一人暮らしの場合35回分、二人暮らしの場合70回分、4人暮らしの場合140回分となります。
季節や水分摂取量にもよりますが、自分の朝起きてから寝るまでの1日のトイレ回数を数えてみると7〜10回でした。
非日常の状況になると体調も変化します。保管スペースの広さにもよりますが、なるべく多めに準備しておくと安心ですね。
また、携帯トイレと一緒にトイレットペーパーも必要になります。トイレットペーパーは、1人1週間1ロールを目安に備蓄しておけば安心です。
他にも、停電時のためにランタンやヘッドライト、手指消毒のためのウェットティッシュの準備も必要です。
自然災害、長期の停電や断水を経験していないと、トイレ事情がいかに大切かということはイメージしにくいと思います。
日本トイレ研究所 https://www.toilet.or.jp/
上記サイトにて様々な視点からのトイレ問題についてわかりやすく書かれています。
どの記事もとても興味深いので、是非ご一読ください。
土用の期間
あさのクリニック管理栄養士です。
GWが終わりました。みなさん体調はいかがでしょうか?
5月のGW明け頃、心身に不調を来した状態のことを「五月病」と言います。
五月病が初めて医学会で発表されたのは1961年。アメリカの精神科医が入学から1か月ほど経過した大学生に見られる無気力、無関心など軽いうつ症状を報告しました。その後日本では1968年に流行語になりました。
4月に就職や入学、異動やクラス替えなどの環境変化があり、その環境に適応できないと5月のGW明け頃から気分の落ち込み、不眠、食欲低下などの症状が出はじめます。
特に環境の変化もないけど、なんとなく体調不良がある…という方は、もしかしたら「春の土用」が影響しているかもしれません。
夏に土用の丑の日にウナギを食べることは一般的ですが、春夏秋冬すべてに土用の期間があります。
2025年の土用
・冬の土用:1/17~2/2(立春:2/3)
・春の土用:4/16~5/4(立夏:5/5)
・夏の土用:7/19~8/6(立秋:8/7)
・秋の土用:10/20~11/6(立冬:11/7)
土用の起源は、古来中国から伝わる「陰陽五行説」に由来します。
陰陽五行説では、自然界は木・火・土・金・水の5つの要素から成り立っているという思想です。
季節もこの5つの要素に当てはめて、春:「木」、夏:「火」、秋:「金」、冬:「水」、「土」は季節の変わり目である立春、立夏、立秋、立冬の前18日間に割り当てられました。
昔から土用の期間は季節の変わり目で、体調を崩しやすい時期でもあるため、季節にあった食養生が行われていました。
春:土用の「戌」の日
「い」のつく食べ物:いわし、いちご、イカ、インゲン豆、芋など
白い食べ物:大根、カブ、しらす、豆腐、ご飯、お餅など
夏:土用の「丑」の日
「う」のつく食べ物:うなぎ、瓜、梅干し、うどん、馬肉など
黒い食べ物:うなぎ、ひじき、シジミ、ナス、黒豆、黒砂糖、黒ゴマなど
秋:土用の「辰」の日
「た」のつく食べ物:玉ねぎ、タコ、大根など
青(緑)の食べ物:青魚(サンマ、サバ、イワシなど)
冬:土用の「未」の日
「ひ」のつく食べ物:ひらめ、ヒラマサ、ひらたけ、ひよこ豆など
赤い食べ物:トマト、パプリカ、りんごなど
春の土用は終わりましたが、あっという間に夏の土用がやってきます。
今年の土用の丑の日は2024年と同じく2回あり、7/19(土)と7/31(木)です。
1回目の丑の日を「一の丑」、2回目の丑の日を「二の丑」と呼びます。
毎年うなぎの値上がりが気になるところですが、うなぎだけでなく、うどん、梅干し、ひじきなど手頃な食材を取り入れて季節の変わり目を元気に乗り切りましょう!
糖尿病の合併症
あさのクリニック管理栄養士です。
今回は糖尿病の合併症についてお話したいと思います。
糖尿病の合併症は大きく分けると「細小血管症」と「大血管症」の2つがあります。
細小血管症
細小血管症とは、糖尿病に特徴的な細小血管で起こる合併症で糖尿病3大合併症と呼ばれ、
「神経障害(しんけいしょうがい)」
「網膜症(目の症状)(もうまくしょう)」
「腎症(じんしょう)」
です。
それぞれの一文字目をとって、「しめじ」と覚えます。
この順番にも意味があり、糖尿病罹患期間約5年~10年で神経障害、網膜症、10年~15年で腎症の合併症症状が出てくるとされています。
大血管症
高血糖、高血圧、脂質異常症、肥満、喫煙は動脈硬化症につながります。
動脈硬化症は身体の大きな血管を障害し大血管症を引き起こします。
大血管症には脳梗塞、心筋梗塞、抹消動脈疾患、足病変(壊疽)などがあり、
「壊疽(えそ)」の「え」
「脳梗塞(のうこうそく)」の「の」
「虚血性心疾患(=心筋梗塞や狭心症)(きょけつせいしんしっかん)」の「き」
の一文字目をとって「えのき」と覚えます。
また、高血糖に起因して歯周病、感染症にかかりやすくなるなどの弊害もでてきます。
HbA1cの数値、空腹時血糖が安定しているため安心されて、定期的に眼科や歯科にかかっていない方が意外と多くいらっしゃいます。
わたくしごとですが、16年前にレーシック(近視手術)を行って以降眼科とは無縁の生活を送っていました。
昨年の人間ドックの眼底検査で「視神経乳頭陥凹拡大」と書かれており、調べてみると緑内障のリスクがあるとのこと!緑内障!?と思いつつ1年眼科へ行きませんでした。
今年の眼底検査でも同じように書かれていた上に、右目の視力が0.6とかなり下がっていたため重い腰をあげ久しぶりの眼科受診をしてきました。
視力、眼圧、眼底、視野検査を経て、結果は異常なしでした。(ちなみに両目1.5でした)
40代以上の人の20人に1人が罹患していてもおかしくないという話を聞きびっくり!
また、緑内障は予防法がないので早期発見早期治療が鉄則だそうです。40代に突入したら何もなくても1年に1度の眼科受診をすすめられました。
何よりも合併症の症状が出る前に対策をとることが大切です。血糖が安定していても罹患期間は長くなっていきます。
定期受診をして良好な血糖コントロールはもちろん、もしも「眼科や歯科にしばらく行っていないなぁ」という方は1度受診しておくと安心ですね。
運動
あさのクリニック管理栄養士です。
少しずつ春の訪れを感じることができるようになってきました。2月は例年になく寒い日が多かったですね。
「三寒四温」という言葉があるように寒い日と暖かい日を繰り返しながらだんだんと暖かくなっていきますが、急に暖かくなると花粉症の症状が強く出たり、身体のダルさなどを感じやすくなります。
昨年のブログの3月と4月に「花粉症」「デトックス」について掲載していますので是非参考にしてみてください。
健康維持・老化防止には継続的な運動を
健康維持、老化防止には継続的な運動が大切ですが、運動は有酸素運動、無酸素運動の2つに分けることができます。
有酸素運動とは
有酸素運動は、ウォーキング、水泳、エアロビクスなど長時間継続して行う運動で、運動する際に酸素が使われます。全身持久力の向上、心臓や肺などの呼吸循環器系の機能の向上、血液循環の向上などが期待できます。
有酸素運動を行うと、酸素を使って糖質がエネルギー源として消費されます。糖質が枯渇すると脂肪が分解されてエネルギー源として消費されます。
今まで、エネルギー源が糖質から脂肪に切り替わるまでに20分以上の運動が必要なため、1日30分程度の運動が推奨されていましたが、10分の運動を3回に分けて行っても同程度の脂肪燃焼効果が得られることがわかっています。長い時間の運動が難しい方や、30分の運動時間が取れない方には朗報ですね。
無酸素運動とは
無酸素運動は、筋力トレーニングの一種で、スクワットや腕立て伏せなど筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う運動です。無酸素運動は酸素を使わず筋肉中の糖質をエネルギー源として消費します。すぐにエネルギー切れとなるため長時間の運動には向いていません。
無酸素運動を行うことにより筋肉量が増加し、基礎代謝が向上します。
どちらか一方の運動ではなく、有酸素運動と無酸素運動を自分に合った割合で行うことが大切です。
一般的には、無酸素運動→有酸素運動の順で行うことが推奨されています。
有酸素運動を行ってから無酸素運動を行うと体内のエネルギー量が枯渇し、自分の筋肉をエネルギー源に変えてしまうため逆に筋肉量が減少してしまいます。
持病がある方は運動のやりすぎが逆に身体の負担になることもありますので、主治医と相談しながら注意をして実施することが重要です。
家の中でできる簡単な運動
散歩やジムへ行くとなると、まず外に出るのが億劫という方、多いと思います!
家の中で簡単にできる運動をご紹介します。
階段で踏み台昇降
自宅の階段には手すりもついていると思いますので、不安な方は手すりを持って、右足と左足交互に昇り降りを行ってみてはいかがでしょうか。
スクワット
膝に痛みがある方はおすすめできませんが、足の筋肉増強にはもってこいの運動です。
また、自分で強度を調節できるので無酸素運動にも有酸素運動にもできます。
- 肩幅より広めに足を開く。
- 背筋を伸ばし、膝がつま先から出ないように息をはきながらゆっくりとしゃがむ。
- 少しきついなというところで一呼吸し、また息を吐きながら上がってくる。
スクワットで膝を壊す方もいらっしゃいますので、正しいフォームで無理をせずに行うことが重要です。
踵上げ
踵を付け、つま先は45度程度に開いて踵をゆっくり上げます。
歯磨きをしながら、食器を洗いながらなど “ながら” でできる簡単な運動です。
自分に合った運動を見つけて軽やかな身体を手に入れましょう!