秋の気配、こころのゆらぎを整える

気分が沈んだり、やる気が出ない
あさのクリニック管理栄養士です。

9月になっても暑い日が続きますが、季節が移り変わり始めるこの時期は、身体も心も“移行期”で頑張っています。なんとなく気分が沈んだり、やる気が出なかったり、感情が揺れやすくなったり…。

季節と生理的な変化が影響する自然な反応なのです。

なぜ気分が不安定になるの?

夏から秋への気温・気圧の変化→自律神経の乱れやすい

夏から秋への移り変わりは、朝晩の冷え込み、日中との寒暖差、気圧の上下がとても大きい時期です。この環境の変化に体がついていけず、自律神経(交感神経、副交感神経)のバランスが乱れやすくなります。今年は5月〜6月の気温差などにより同じように体調を崩す方が多く見受けられました。
自律神経は体温・血流・内臓の働きと心の安定にも深く関係しているので、環境変化が続くとどうしてもメンタルも不安定になります。

 

日照時間が短くなる→セロトニン、メラトニンのリズムが乱れる
だんだんと日が短くなると私たちの体内時計に影響を与えます。
セロトニン(幸せホルモン)の分泌が減りやすく気分が沈みがちになります。
夜のメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌も乱れて睡眠リズムが崩れます。
特にセロトニンはストレス緩和、前向きな気持ち、心の安定に深く関係しています。
このセロトニンは「朝日を浴びる、リズムよく咀嚼する、一定の運動をする」ことで活性化されるのですが、日照時間が減る9月以降はセロトニン不足に陥りやすいのです。

 

夏の冷え、疲労の蓄積→胃腸が弱り、メンタルにも影響
夏の冷え
夏の間に冷たい飲み物やアイス、冷房などで体が冷えていませんか?
胃腸の冷えや疲れは秋口に影響を及ぼします。
胃腸が弱ると栄養吸収が低下し、脳に必要な栄養も不足します。
腸は第二の脳と呼ばれるほど感情や気分と密接に関係しています。腸内環境が乱れると、セロトニンの生成も低下してしまうのです。

食でできる、こころのゆらぎ対策

セロトニンを生成する食品
セロトニンを生成する食材をとる。
トリプトファンがビタミンB6と結びつき、セロトニンが生成されます。これらを含む食品を食事の中に取り入れましょう。
バナナ、納豆、豆腐、乳製品、卵、ナッツ など

腸内環境を整える食品
腸を整え、気持ちも整う。
腸内環境は第二の脳!善玉菌を増やすことがメンタル安定の近道です。
味噌、ヨーグルト、ぬか漬けなどの発酵食品と合わせて、食物繊維を多く含むごぼうやきのこ類、海藻類などを積極的に摂りましょう

セロトニンを生成する食品
温かい飲み物やスープで「ほっ」とする時間を作る。
身体が冷えると、心も冷えて固まってしまいます。
ハーブティーやお味噌汁など、五感で安心できるものを取り入れましょう。

さいごに

ストレッチや深呼吸

気持ちが揺らぐことは季節と共に生きていると当たり前のことです。
気持ちが揺らいだ時は、「私、疲れてるかも。」と気付いてあげることが心と身体の回復の第一歩です。
食事以外にも、ストレッチや深呼吸などできることから少しずつ取り入れてみましょう。

また、今年は何かと情報に振り回されやすかったように思います。
TVをつけない日や携帯に触らない時間を意識的に作る『デジタルデトックス』も心身の安定におすすめです。

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2025/09/01 栄養コラム