痩せるための肝臓ケア

あさのクリニック管理栄養士です。

先月のブログ 
「食べてないのに太る、、、痩せない、、、」の悩みにお答え!は、
読んでいただけたでしょうか?

先月からの続編として、今月は「痩せるための肝臓ケア」についてお話していきます。

肝臓のお話に入る前に、基本的なことを整理しておきましょう。

1日の消費エネルギー

私たちの消費エネルギーは大きく3つに分けられます。

  • 基礎代謝:生きているだけで使うエネルギー
  • 身体活動量:運動、家事、仕事など動くことにより消費するエネルギー
  • 食事誘発性熱産生:食べ物を消化吸収するエネルギー

最も大きいエネルギー消費は「基礎代謝」です。
基礎代謝とは、呼吸、心拍、体温維持、内臓の働きなど、「生命維持」に使われるエネルギーです。

重要なのは、筋肉だけが代謝を決めているわけではないということです。実は内臓も非常にエネルギーを消費しています。

臓器・組織における安静時代謝

下の表をご覧ください。この表はヒトの臓器・組織における安静時代謝量です。

臓器・組織重量 (kg)エネルギー代謝量
(kcal/kg/日)
エネルギー代謝量
(kcal/日)
比率 (%)
全身70.0241700100
骨格筋28.01337022
脂肪組織15.04.5704
肝臓1.820036021
1.424034020
心臓0.34401459
腎臓0.34401378
その他23.21227716

ここで注目したいのが『肝臓』です。

肝臓は体重の2%ほどしかありませんが、基礎代謝全体の約20%を担うとされています。
骨格筋とほぼ同じくらいの消費エネルギーがあるのです!

つまり、肝臓が元気に働ける状態かどうかで痩せやすさは大きく変わります。


肝臓は糖質、脂質、タンパク質の代謝の中心です。
さらに、血糖コントロール、脂肪燃焼、解毒、胆汁分泌なども担っています。肝臓が疲れると、脂肪をうまく燃やせない状態になってしまいます。

肝臓が疲れやすくなる習慣は

などがあげられます。

特に近年増えているのが「脂肪肝」です。アルコールを飲まない人でも、糖質過多や運動不足で起こります。
脂肪肝は初期症状がほとんどありません。

しかし、

  • 疲れやすい
  • 食後に眠い
  • 痩せにくい
  • 健診でALT、γGTPが上昇

などの形で現れることがあります。

①タンパク質をしっかり摂る

肝臓の修復材料になるため、できるだけ毎食タンパク質のおかずを食べるようにしましょう。

ただ、気を付けていただきたいのが、おかず中心の食事にしてしまうと脂質の摂りすぎになることもあるので注意が必要です。揚げ物や炒め物ばかりにならないよう、茹でたり、蒸したり、調理方法も見直してみましょう。

日本人の食事摂取基準によると、

1日の推奨量は
18~64歳の男性は65g65歳以上の男性は60g18歳以上の女性は50gとなっています。

腎不全等の疾患がありタンパク質の制限が必要な方はこの限りではありません。

逆に筋トレなど運動をされている方は食事摂取基準の量だと足りない場合があります。
ご自身の活動量に合わせて調整しましょう。

②「空腹時間」を作る

空腹時間を作る目的は、食事を抜くことではなく肝臓や消化器官を休ませることです。
食事や間食が続くと、肝臓は糖や脂質の処理を休みなく行うため負担がかかります。
一方、食後しばらくして空腹状態になると、身体は蓄えたエネルギーや脂肪を利用し始めます。

まずは

など、できそうなことから始めてみましょう。

食べる時間と休む時間のメリハリをつけることが、肝臓の働きを助け、脂肪を燃やしやすい体づくりにつながります。

③果糖の摂りすぎに注意

果糖は果物にも含まれていますが、注意していただきたいのは、清涼飲料水や菓子、アイスなどに使われる「果糖ぶどう糖液糖」です。

果糖ぶどう糖液糖とは、でんぷんを酵素で分解して得たぶどう糖の一部を果糖に変換し、果糖を50%以上含むように調整した液状の甘味料です。

果糖はぶどう糖と違い、多くが肝臓で代謝されます。そのため過剰に摂取すると、肝臓で中性脂肪が作られやすくなり、脂肪肝や肥満の原因につながります。
また、液体で摂る糖質は吸収が早く、満腹感を得にくいため、知らないうちに摂取量が増えている、、、ということになります。

ジュースやスポーツドリンク、加糖コーヒーなどを日常的に飲む習慣がある方は要注意です。
まずは、飲み物を水やお茶に変えるだけでも、肝臓への負担を減らすことにつながります。

最近ではドレッシングやソース、調味料まで幅広く使用されています。食品表示を確認し、果糖ぶどう糖液糖を摂りすぎないよう意識してみましょう。

④睡眠を軽視しない

肝臓は日中休みなく働き、夕方には朝よりも小さくなることが知られています。そして睡眠中にエネルギーを補充し、細胞の修復や再生を行うことで本来の大きさや機能を回復させます。
そのため、睡眠不足が続くと肝臓の回復が追いつかず、糖や脂質の代謝にも影響が出やすくなります。

また、睡眠不足は食欲を増やすホルモンを増加させ、高カロリーなものを欲しやすくすることもわかっています。

東洋医学の考えで「子午流注」という体の働きと時間の関係を表したものがあります。
肝臓は丑の刻、午前1時〜3時とされています。肝臓が排毒・解毒・老廃物の処理等を行い、浄化された血液を生成するピークの時間帯です。

夜型であったり、この時間帯に目が覚めてしまっても、1時~3時の間は横になり目をつむるようして肝臓の回復を促しましょう。

まとめ

「痩せる=運動」と思われがちですが、実際には、内臓がしっかり働ける状態が土台です。

 特に肝臓は代謝の司令塔です。

こうした日々の積み重ねが、脂肪を燃やしやすい体をつくっていきます。

まずは “肝臓を疲れさせない生活” から始めてみましょう。

出典:厚生労働省 健康日本21アクション支援システム

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2026/07/01 栄養コラム

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