10月 きのこ

あさのクリニック管理栄養士です。
10月15日は「きのこの日」ということをご存じですか?


きのこの消費拡大と生産振興を図るため、きのこに対する正しい知識の普及、啓蒙活動を積極的に推進して、消費者にきのこの健康食品としての有用性や調理、利用方法の浸透を図るために、日本特用林産振興会によって制定されました。

10月はきのこが最も多く取り扱われる月であり、天然のきのこも多く採れる月で、きのこ狩り、紅葉狩りなど山の幸を実感できる月でもあります。また、10月はスーパーなどの店頭できのこコーナーが拡充される月であり、冬場の鍋需要を前に、消費拡大のためのイベント等の実施に最も適した月でもあります。15日は一般に月の中日で慌ただしくなく消費者に対してきのこの良さをアピールするのに適していると思われます。よって10月15日を”きのこの日”と定めることを提唱し、制定に至りました。

引用元:日本特用林産振興会のホームページ – ~10月15日はきのこの日~
ポスター出典元:日本特用林産振興会のホームページ – ~10月15日はきのこの日~

きのこの優秀さと現状

秋の味覚の代表でもあるきのこ。様々な食品の価格が高騰するなかでも栽培技術の向上により1年を通して安定的な供給が可能となり値段もほぼ一定で、料理のかさ増しにも使える優秀食材です。

しかし、栄養指導をしていて食事内容の聞き取りを行った際に、きのこを定期的に食べている人は意外と少ない印象です。きのこをあまり買わない理由として、そもそもきのこが嫌いという方もいらっしゃいますが、買ってきても冷蔵庫の中で場所を取る、すぐに傷んでしまうという声を聞きました。

きのこを保存する時の注意点を紹介します。

きのこを保存する時の注意点

  • 洗わない
    洗ってしまうときのこの風味が落ちてしまうので、湿らせたキッチンペーパーで汚れを落とす程度にとどめましょう。
  • 適温温度で保存
    きのこの保存適温は2~5℃です。野菜室は7~10℃くらいに設定されているので冷蔵室で保存しましょう。
  • 湿気に注意
    冷蔵室で保存していると水滴がついてしまい早く傷んだり、風味が落ちる原因になります。
    パックや袋から出し、キッチンペーパーで包んで保存袋にいれましょう。

きのこをもっと楽しむために

きのこは冷凍保存も可能です。きのこは冷凍することで細胞膜が壊れて、ビタミンDやビタミンB群、カリウムなどの栄養成分、グアニル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸などの旨み成分が細胞から出てくるため、生のきのこの3倍に増えます。冷凍したきのこを調理する時は、解凍せず冷凍のまま使うことが大切です!解凍してから使ってしまうと、水分が出て栄養素や旨みが失われてしまいます。

きのこの種類別冷凍保存方法

  • しめじ
    石づきを落として、ほぐして保存袋に入れる。
  • えのき茸
    石づきを落として、ほぐして3等分くらいに分けてラップでくるんで保存袋に入れる。
    ほぐした状態のものを半分に切って、保存袋に入れるのもおすすめ。
  • しいたけ
    石づきを落として、保存袋に入れる。

きのこを干してビタミンDを増やす

また、きのこは干すことでビタミンDの量が増えます。冷凍庫にスペースがない場合は干してから冷凍したり、きのこを使う前に2~3時間干してから使うのもおすすめです。


いつも同じきのこばかりを買ってしまいがちですが、保存するコツを知っていればいろいろな種類を取り入れて使い切ることができますね。


2024/10/01 栄養コラム