あさのクリニック管理栄養士です。
今回は糖尿病の合併症についてお話したいと思います。
糖尿病の合併症は大きく分けると「細小血管症」と「大血管症」の2つがあります。
細小血管症
細小血管症とは、糖尿病に特徴的な細小血管で起こる合併症で糖尿病3大合併症と呼ばれ、
「神経障害(しんけいしょうがい)」
「網膜症(目の症状)(もうまくしょう)」
「腎症(じんしょう)」
です。
それぞれの一文字目をとって、「しめじ」と覚えます。
この順番にも意味があり、糖尿病罹患期間約5年~10年で神経障害、網膜症、10年~15年で腎症の合併症症状が出てくるとされています。
大血管症
高血糖、高血圧、脂質異常症、肥満、喫煙は動脈硬化症につながります。
動脈硬化症は身体の大きな血管を障害し大血管症を引き起こします。
大血管症には脳梗塞、心筋梗塞、抹消動脈疾患、足病変(壊疽)などがあり、
「壊疽(えそ)」の「え」
「脳梗塞(のうこうそく)」の「の」
「虚血性心疾患(=心筋梗塞や狭心症)(きょけつせいしんしっかん)」の「き」
の一文字目をとって「えのき」と覚えます。
また、高血糖に起因して歯周病、感染症にかかりやすくなるなどの弊害もでてきます。
HbA1cの数値、空腹時血糖が安定しているため安心されて、定期的に眼科や歯科にかかっていない方が意外と多くいらっしゃいます。
わたくしごとですが、16年前にレーシック(近視手術)を行って以降眼科とは無縁の生活を送っていました。
昨年の人間ドックの眼底検査で「視神経乳頭陥凹拡大」と書かれており、調べてみると緑内障のリスクがあるとのこと!緑内障!?と思いつつ1年眼科へ行きませんでした。
今年の眼底検査でも同じように書かれていた上に、右目の視力が0.6とかなり下がっていたため重い腰をあげ久しぶりの眼科受診をしてきました。
視力、眼圧、眼底、視野検査を経て、結果は異常なしでした。(ちなみに両目1.5でした)
40代以上の人の20人に1人が罹患していてもおかしくないという話を聞きびっくり!
また、緑内障は予防法がないので早期発見早期治療が鉄則だそうです。40代に突入したら何もなくても1年に1度の眼科受診をすすめられました。
何よりも合併症の症状が出る前に対策をとることが大切です。血糖が安定していても罹患期間は長くなっていきます。
定期受診をして良好な血糖コントロールはもちろん、もしも「眼科や歯科にしばらく行っていないなぁ」という方は1度受診しておくと安心ですね。