9月3日に総社市にあるFLCBを会場に、映画「人生をしまう時間(とき)」の上映とあさのクリニック看護師お仕事説明会を開始しました。
以下の文章は、主催者である、当クリニックの看護師で緩和ケア認定看護師の大塚がこの度の映画の感想と看護師としての働きについて記載をしたものです。
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9月3日クリニック職員員なので、2回同じドキュメント映画を観る事ができた。「人生しまう時間」は、以前偶然テレビを観て印象に残っていた。
テレビで特に印象に残っていたのは、介護する娘と肺がん末期の父親との生活。全盲の娘の声掛けのトーンの声に、それを愛溢れた父親の言葉の間が印象に残っていた。映画で再度観ると、その家に行く度に主治医の医師が運転する道のりが印象に残る。この角を曲がるとあの親子の家の柿の木が見え、あの玄関に入るのだと、と脳裏に残っている。その間も、色んな患者宅に入っていく、この家は犬の声、この家は2階に上がる等その家その家に入る時の風景が残る。また、話の中で熟れた柿の匂いも話にあった。
訪問診療同行看護師を日々していると、このように脳裏に残っている道なりが出る。その時に痛みが取り切れず悔しくなったり、笑顔のご家族で医師と笑って帰った道だったり、あの時間(とき)その時間(とき)を脳裏に残っていることが前に出て思い出す。しかし、次の家次の施設と、前に進んでいるので辛さだけを振り返ってはいない。
この映画監督が、日々の死に対峙していると、疲弊されお寺に駆け込んで禅をしたと書かれていた。自分自身は、看護師人生約30年する中辛くなり前に進めなかったことはない。医療者自身が、知識があることでもあるが、私達医療者は黒子と思っている。また訪問診療同行看護師は、運転だったり、採血、点滴、処置等行っている。しかし、黒子として、医師が気づかない雰囲気や患者家族の変化に気づく事がある。そこで黒子なりの前に出て、気づいたことを声かけて、コミュニケーションを広げている。そこが、あきらめずその人となりをみつめて、相手の思いの中に入っている。
最期は亡くなるが、それまでの出来ることはない何かを、医師と一緒に悩み、考え、他の事業所などに連絡している。しかし、映画の中の数年2階から降りれない高齢の女性を夫が介護の場面。ベットを入れて、表情や言葉が、変わる場面です。この場面は、今迄診療の中でも、あったなぁと、また自分の中で脳裏の患者や家族、あのコタツだったり、猫を思い出す。医療者が出来る事は、その人やその家族の雰囲気も変えてしまう時間になると思い出した。
何が正解ではない、その時のタイミングと堀越先生も言われていた。色んなタイミングで、一期一会の出会いがあり、その人の人生の時間に関わり事が出来る仕事は、他にはないと、思っている。毎日が、学びの出会いで、この映画を1日2回見ると、なお一層、観る視点や字幕や音の印象も変わった。親子の最期の時間を、うどんを食べていた時の父と、同じように喉仏で看取りを対応したのは、とても感覚が実感した。
緩和ケア認定看護師 大塚美智子
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