あさのクリニックの緩和ケア認定看護師の大塚です。
今年も昨年授業が好評のためご依頼頂き、岡山県立大学の看護学科3年生に授業を行う機会を頂きました。
在宅看護学
在宅看護学について、「緩和ケア」「生活の質」「全人的視点」「痛みの評価」についてスライドでお話し、当院の実際の患者様、患者家族との対話方法を話しました。
日々の診療で使用している「痛み日記」「痛み評価シート」や、現在当院で使用しているシュアフューザーに実際に触れて、目を輝かせている学生を観ました。
緩和ケアを行った当院での患者の事例を基に、グループワークを行いました。
事例に対して個人の考えをグループで話合い、自分たちだったら、どんなアセスメントを行うか、どんなケア方法があるのか、悩みながら学生がプレゼンしました。
当院スタッフと学びのある時間
学生の視点で様々な意見を聞く時間にもなり学びのある1日となりました。
当院の訪問診療同行看護師も参加し、看護師として「仕事と日常生活のバランス」について話しました。学生は、教科書に書かれている内容ではなく、当院で働いている看護師の「働き甲斐」に関する実際の言葉と声を、前のめりで聞いていました。
授業に同行した当院看護師の感想
授業の感想
在宅看護の緩和ケアを学び全人的に患者さんを捉えて患者さんを知る。そのためにはどのように患者さんに対応し、知ることが出来るのかという授業だった。まずは個人、自分の事を理解し言語化、文章化すること。それをもって相手と話すと相手も話してくれるようになる。そして自分の生活の質を考え、生活のしにくさを感じている方の生活の質が上がるように自分の価値観を相手にも伝え、相手にとっての価値観を理解していく。そのあとの事例検討、グループワークをしていくことで興味をもって事例の患者さんのことを全人的に捉え、グループ内で会話が多くできていたと思う。
学生さんの感想
事例検討で全人的に捉えるグループワークをした際、一つのグループで「患者さんが受け入れていないのであれば受け入れるようにどうしたらよいか、何をしたらいいか」の問いに「この患者さんは受け入れられないんだと思う」と答える学生さんがいた。『受け入れられないことを受け入れる』そのことが患者さんにとって『自分を理解してくれた』と感じられることがあると私が伝えるとグループ内で何かしないとではなく、受け入れる事を中心に考えた発表をしてくださり良いグループワークになったのではないかなと感じた。
全体の感想
今まで講義する方に同行することはなかったため緊張した。講義の内容を事前に資料を読んでいたが、実際の大塚さんの講義を聞いて流れや考えやすさを学ぶことができた。
「全人的苦痛を全人的に捉え、関わり方を考える」事例検討を私1人でやってみると関連図を書き、どんなケア、処置…と周りを固めるように患者さんを考えていた。「受け入れられないことを受け入れる」グループの学生さんはストレートに○○した方が良い、○○するために患者さんやご家族への直接的アプローチをする方法を話し合っており、新たな視点を考えさせられた。誰も間違っていない、正解もないその中で「その人を理解する」ことを伝えるとグループの学生さんは「受け入れられないことを受け入れる」ことに納得してくれた。常に否定せず説得ではなく納得してもらいたいと思っているので納得できる方へ導けてよかったと思う→この考えが否定的になっていないか?先生になっていないかは考え直すべき点!!
シュアフューザーなどにとても興味を持ちたくさん質問をしてもらった。興味を持ってもらうものを提供する場合、質問に答えられるように知識がないといけないと思った。そのためには日々自分が興味を持ち勉強していくことが大事だと改めて感じた。
今回貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
岡山県立大学 講義同行 岩本