見学研修の感想を頂きました㉑

先日、見学研修に来院された、倉敷中央病院 救命救急センター 医師 漆谷成悟先生より感想を頂きました。

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私は現在倉敷市内の救命センターで救急医として勤務していますが、3年前までは広島県の中山間地の医療機関に勤務しておりました。当時は、高齢者の一般内科の外来を主に担当させていただき、少ないながらも訪問診療をさせていただいていましたが、救急医療に従事するようになって3年がたち、患者さんのそばでサポートする診療の大切さを自覚するようになり、医師になった頃の気持ちや、地域医療に従事していた頃の感覚を再確認したくて、この度見学を申し込ませていただきました。

 午前中の外来、午後の訪問診療に共通して感じたのは、患者さんの話だけでなく、付き添いでいらっしゃったご家族や、同居のご家族のお話を同じくらい時間をかけて聞くということの大切さです。私も病気だけを診るのではなく、それを持っている患者さんとその周辺を意識するように心がけてはいますが、一旦患者さんを中心に据えてしまうと、患者さんのためだけに周辺の状況を把握してしまいがちです。病気や老いを抱えて弱さを覚えている患者さんにとって、ご家族がその生活や存在の大切な一部であるように、ご家族にとっても患者さんはご家族の一部なので、ご家族の視点に立ったケアやサポートは、患者さんの視点に立ったそれと同様に大切だということに気づかされました。両方の話を聞き、両方にとって一番良い方法を考えサポートすることの大切さを改めて感じることができました。

 患者さん・ご家族のサポートを行うに当たり、チームの存在は大変大切だと思いました。あさのクリニックの職員の皆様方は、事務職員、看護師、ソーシャルワーカー、皆さんが大変フットワークが軽く、また患者さんのことをよく把握しておられ、その時に良いと思うことに対して迷わず行動されていると感じました。

 今回の見学を通して、改めて地域の中で患者さんやご家族に寄り添って医療・サポートを行なうことのすばらしさを実感いたしました。また、同様の視点は、どの科にいても、どのシチュエーションにおいても持っていないといけないものだということも感じました。

 この度は見学を受け入れてくださりありがとうございました。医師になった時の初心を忘れないように、また見学に行かせてください。

 あさのクリニックに関わられるすべての皆様のご多幸を引き続きお祈りしております。

                                                                                 倉敷中央病院 救急科
                                                          漆谷 成悟

 

ありがとうございました。 


2017/07/06 見学・研修