小豆


あさのクリニック管理栄養士です。

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

1月15日は「小正月」です。1月1日を「大正月」と呼び、「小正月」は年末の準備から元旦、松の内と続いてきた正月を締めくくる一連の行事を指します。
本来の小正月は旧暦の1月15日で、その年の最初の満月の日です。現在では新暦の1月15日に祝います。

小正月の行事は地域によって様々です。柳の木に小さく切った餅や団子を刺して「餅花」を作って飾ったり、15日の朝に小豆粥を食べたり、正月飾りを焚いたりするなどがあります。

小正月の朝に小豆粥を食べる風習は古くからあり、平安時代の『土佐日記』などにも記されています。これは中国から伝わったもので、小豆の赤い色には呪力があるとされ、小豆の粥は邪気を祓うとして食されました。現在も一年の健康を願って小正月に小豆粥を食べる風習は全国で見られます。

お祝い事や季節の節目に小豆を使った赤飯や餡餅などを食べるのも同じ理由からです。

小豆に含まれる栄養素と効能

小豆といえば、和菓子やお赤飯が一般的ですが、効能を調べてみると日々の食事に取り入れないと勿体ない!ということで、小豆の栄養と効能についてご紹介します。

小豆に含まれる栄養素

  • ・食物繊維
    ・ビタミンB1
    ・ビタミンB2
    ・カルシウム
  • ・鉄分
    ・亜鉛
    ・ポリフェノール
  • ・サポニン
    ・カリウム
    ・アントシアニン

小豆には様々な栄養素が含まれていますが、特筆すべきはポリフェノール食物繊維です。

小豆に含まれるポリフェノールは赤ワインの1.5~2倍と言われています。また、5000種以上あるポリフェノールの中で、小豆に含まれるポリフェノールは赤ワインに含まれる種類とは異なり、ルチンやカテキンなど抗酸化力の強いポリフェノールが豊富です。

食物繊維はごぼうの4倍。成分の半分を占めるでんぷんは、茹でると食物繊維と同様の働きをするレジスタントスターチに変化します。その結果、腸に働きかける力が増し善玉菌が増加。腸内環境を整え免疫力を向上させます。

とはいえ小豆をあんことして食べると糖分の取りすぎになるので注意しましょう。

私は先月から玄米ご飯を炊く時に小豆を入れるようにしています。約1.4合の玄米、0.3合の押し麦、0.2合の小豆、0.1合のハト麦を混ぜて炊飯器の玄米モードで炊き、100gずつ小分けにして冷凍しています。冬至の日は小豆と南瓜のいとこ煮を作りました。

小豆と南瓜のいとこ煮のレシピ

  • 食養生としてのいとこ煮

    • 南瓜 200g
    • 小豆 1/4カップ
    • 塩  小さじ1/4
    1. 小豆の3倍の水で小豆をやわらかくなるまで煮る。
    2. 南瓜を一口大に切る。
    3. 1の小豆の上に南瓜の皮の部分を下にして塩と水を入れて、南瓜がやわらかくなるまで煮る。
  • 一般的ないとこ煮

    • 南瓜 200g
    • 小豆 1/4カップ
    • だし汁 200ml
    • 砂糖 小さじ1
    • 醤油 小さじ1/2
    • 塩  少々
    1. 小豆の3倍の水で小豆をやわらかくなるまで煮る。
    2. 南瓜を一口大に切る。
    3. 1の小豆の上に南瓜の皮の部分を下にしてだし汁、砂糖を入れて5分煮る。
    4. 醤油と塩を足して、南瓜がやわらかくなるまで煮る。


また、小豆はカリウムが多く含まれているため腎臓病がある方は小豆を茹でるときに茹でこぼしをし、ゆで汁を摂取しないようにしましょう。腎臓に問題のない方は、小豆のゆで汁にはポリフェノール、ビタミンB群、ミネラルがたっぷり含まれているので捨てずに飲んでみてください!


2025/01/10 栄養コラム