見学研修の感想をいただきました⑯

先日、見学研修で訪問診療に同行した、就実大学薬学部に在学中の片岡貴史さんより感想をいただきました。

 

あさのクリニック 診療研修・見学 感想文

就実大学薬学部 片岡貴史

 

先立って、この度はお忙しい中、在宅診療に同行させて頂きありがとうございました。患者さんやそのご家族の抱える背景に目を向け、医療者としての倫理的・学術的観点から最善の解決策を熟考し、診療をされていることを実感できました。今後臨床に出てからも、先生に様々な場面でご指導いただけると幸いです。

 

【感想】

この度は、お忙しい中訪問診療に同行させて頂きありがとうございました。浅野先生、あさのクリニックの方々、浅野先生の訪問診療同行の機会を紹介して頂きましたアイ薬局の村木先生に深く感謝致します。

私は薬学を専攻しており、昨年は実務実習を経験させて頂きました。実習では、薬剤師の在宅患者さんの残薬確認、服薬指導等の業務を見学させて頂きました。その経験を通し、薬剤師が地域の中で他職種の方々と共に患者さんに貢献していくことの重要性を感じていました。そんな中今回、浅野先生の訪問診療に同行し、医療者としての心掛けを見つめ直し、臨床で薬剤師として活躍するための勇気を頂けたことをとてもうれしく思います。

今回は6件の訪問診療に同行させて頂きました。居宅療養されている患者さんを4件、グループホームの患者さんを2件訪問させて頂きました。

訪問に際して、まず浅野先生に各患者さんの抱える葛藤や悩みを訪問前に伺いました。それは、老衰されていく親御さんを心配される息子さんであったり、老々介護の形で寝たきりの妻を支えるおじいさんであったり、体や心の障がいが元で家族関係に問題がある老夫婦の方々であったりと、様々な背景を抱えた方々でした。

実際の訪問診療では、浅野先生は、患者さんのお話をじっくりと聞いて、患者さんと信頼関係(ラポール)を形成することを大事にされていました。また、患者さんも浅野先生に画像診断の結果や検査値、今後の治療方針についての相談を患者さん自ら進んでされており、何でも相談できる関係が構築されていることを実感しました。

「浅野先生のおかげでとても症状が良くなった、これからも先生に見てほしい。」とおっしゃっている患者さんもおられ、先生が地域医療にいかに貢献されているか垣間見えることができました。倫理的な面はもちろん、医学的な知識も豊富で、バイタルの確認、検査値の解説など患者さんの不安をしっかりケアされていました。

 近年、薬剤師もバイタルの確認、副作用チェックのためのフィジカルアセスメントをより積極的に行うことが推進されていると思います。私自身そうした医療行為を行い適切な判断ができるのか不安を持っています。

服薬指導・薬学的管理においても、薬が飲用困難や忘却、認知症による理解力の低下で、コンプライアンスが確保できず思い通りにいかないと悩む場面も多いかと思います。しかし、今回の研修を通し感じたことは、勇気を出して患者さんの抱える背景を親身になって考え、患者さんにとっての障害を少しずつでよいので除いていくことの大切さです。そのために必要なことが、浅野先生が実践されていたような、医療者と地域・患者さんとのラポールの形成にあるのだと思います。

最後になりますが、浅野先生に教わった医療者としての心掛けを胸に留め、将来薬剤師としてより良い患者さんケアに貢献できるよう努めていきたいと思います。コミュニケーションの取り方や、医療上の知識に関してもまだまだ勉強不足な面が多々あります。今後とも何かにつけてご指導いただけると幸いです。この度はありがとうございました。

 


2017/03/02 見学・研修