5月号 フリーペーパー Vol.62 熱中症
熱中症は、温度や気温が高い場所にいることで、徐々に体の中の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調整機能が働かなくなることで発症します。
炎天下での活動の印象があるかもしれませんが、室内にいる時でも発症します。重症の熱中症は命の危険に直結します。
知識を持ち対策を行うことで熱中症や熱中症の重症化を予防しましょう。
参考:日本救急医学会 熱中症診療ガイドライン2015
環境省 熱中症予防情報サイト 熱中症環境保健マニュアル 2018
知っておこう!熱中症とその対策
熱中症は、症状によって、Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類されています。
対処方法は、Ⅰ度は症状が改善している場合のみ、現場の応急処置と見守りです。
しかし、Ⅱ度・Ⅲ度の症状や、Ⅰ度の症状の改善が見られない場合は、すぐに病院へ搬送しましょう。
熱中症の方への対応は、意識がしっかりしているかどうかがポイントです。少しでも意識に異常がある場合は、Ⅱ度以上と判断し、すぐに病院へ搬送しましょう。
今日から実践!普段からできる熱中症対策
熱中症の予防は、脱水と体温の上昇を抑えることが基本です。
個人の予防だけでなく、周囲の方からの声かけ、気づきも大事ですので、地域で取り組みましょう。
❶ 暑さに慣れて、暑さに備える
暑熱順化(しょねつじゅんか)を知っていますか?
やや暑い環境で運動(ウォーキング等)をして汗をかく機会を増やし、少しずつ暑さに慣れていくことです。
運動習慣を持つ機会にもなります。
❷ 水分をこまめにとる
喉が渇く前から取ることが大切です。
起床時や入浴前後にも水分補給を心がけましょう。ビールなどのアルコール類は水分補給にはなりません。
❸ 暑さから身を守る
外に出る際は無理はしないで、日陰で休憩をとりましょう。
屋内でも風通しを良くする、エアコンの活用、服の工夫も加えて暑さを調節しましょう。
❹ 体力や体調に目を向ける
風邪等の発熱などいつもより体調の悪い時や、二日酔いの時は暑い場所に行くのは避けましょう。
あさクリCOLUMN「声をかけ合う」byソーシャルワーカー向川
日本救急医学会熱中症診療ガイドライン2015に、高齢者の熱中症の中に、日常生活の中や屋内での発症が増えているとあります。
理由は、症状が徐々に進み、周囲が気付きにくいので、対応が遅れる事などのようです。熱中症は炎天下だけのものではないですね。
マスクなどの感染対策をして地域の中で声をかけ合うつながりを続けましょう。
4月号 フリーペーパー Vol.61 心不全
心不全とは「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」です。
日本の循環器疾患の死亡数は、癌に次いで第2位、心不全による5年生存率は50%、そして完治しない。
心不全の怖さは、実はあまり知られていません。
やってみよう心不全セルフチェック
高血圧、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化、肥満は、心臓の働きを悪くさせる初期の要因です。
治療や対処をせず、そのままにしておくと、心臓の動きの異常が出現し、将来的に心不全の症状につながります。
心不全を発症すると、適切な治療によって症状が改善されますが、完全に治ることはありません。
症状悪化と、治療による症状の改善を繰り返しながらだんだん進行していきます。
生活習慣の改善と、早い段階で初期症状を把握することが大切です。
ご自身の状況をチェックしてみましょう!
心不全とそのリスクの進展ステージ
院長の認知症COLUMN「プライマリ・ケア」
「心不全」はよく耳にするけれど、実はどんな病気や症状なのか想像がつかないという方も多いのではないでしょうか。
心不全の原因の中には、生活習慣を改善することで健康につながり、発症を予防できるものも多くあります。
地域のかかりつけ医の役割として、生活の様子を気軽に話してもらう事で、薬の処方だけではなく、運動習慣や食生活、生活リズムのアドバイスも行います。
何気ない会話をする事も大切な治療の一つであり、関わりのきっかけになります。
健康な暮らしについて気軽に話をすること、これらはプライマリ・ケアと言われる医療の一環です。
3月号 フリーペーパー Vol.60 うんこ
みなさんは、うんこをしています。
体調などにより、下痢や便秘になることがあります。便秘に悩まされている方もいるのではないでしょうか。
ほぼ毎日出会うことのある自分のうんこを、自分の体を気づかうための情報の一つとして考えてみませんか。
「うんこ」という言葉は、医療現場ではほとんど使われません。
今回は「便」などのかたい言葉は使わず、わかりやすく、親しみやすい「うんこ」という言葉を使用しています。
自分のうんこがどんな状態か知ってる?
日頃のうんこの状態は?
日頃のうんこの状態(色、硬さなど)、出る時のすっきり、痛いなどの感覚はどうですか?
うんこが残っている感じがする。血がついている。下痢が続く。便秘が続く。いつもと違ううんこ。など、うんこを気にすることで体調の変化に気づくこともできます。
受診する際は、上の表の表現を使用したり、「血が混じっている」「○○日出ない」「「うんこが出ても少ない」「下痢が終わると便秘が続く、この繰り返しなんです」など、具体的に伝えることをお勧めします。
うんこは「何で」できているのか?
みなさんは、うんこは食べたもののかすで、できていると思っていませんか。
もちろん食べたもののかすもありますが、食べ物の大部分は体に吸収されています。
うんこの中身の大半は水分です。残りは3分の1ずつ、腸内の古くなった腸壁細胞の死骸、腸内細菌の死骸、食べ物のかすです。
便秘の原因は、食べていないではなく、水分不足のことも多いです。
参考:「うんこのなかみ」
日本科学未来館科学コミュニケータブログ
院長の認知症COLUMN「災害時のトイレ」
昨年は災害とトイレについてこのコラムで紹介しましたが、断水だけでなく、停電でも水洗トイレが使えなくなる可能性があるという事をニュースで知りました。
断水、停電は、災害よりも身近な言葉かもしれません。いざという時の為に日頃から簡易トイレなどの準備もできれば安心ですね。
トイレの事だけではなく、災害時の行動についても日頃から話してみましょう。