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2月号 フリーペーパー Vol.71 認知症

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あさのクリニックでは、以前、講師をお招きして「VR認知症体験会」という、認知症の方の中核症状をバーチャルリアリティの技術をつかって体験し、理解を深める研修会を開催しました。
認知症の方がどんなことで困っているのかを想像し、一緒に生活することへの視点をいただきました。

認知症のことは「認知症の本人」が教えてくれる。

  • 認知症という言葉は、社会的な広がりが進み、普段の生活の中で見聞きすることが多くあります。
    その中には、高齢者の交通事故の報道など、マイナスなイメージを持ってしまうものも少なくありません。
    しかし、最近では、認知症と診断を受けているご本人が、ご自身の認知症の事や経験をテレビやラジオ、本、講演会などでお話しをされる機会も増え、認知症に対する誤解や偏見が少しずつ減ってきていると感じています。
    皆さんは、「認知症世界の歩き方」というインターネットのページと、書籍をご存知でしょうか?
    そこには「私にも起こった事があるなあ」と思い出すことのできる、生活の中で起きた困りごとが、認知症のある方ご本人の言葉をもとに、私たちが想像しやすい内容で紹介されています。
    「認知症のある人が生きている世界」がわかる13ストーリーとして、記憶、五感、時間・空間、注意・手続きのトラブルなどが、44の心身機能障害として紹介されています。
    皆さんにもぜひみていただきたい!!
    インターネットページ 認知症世界の歩き方で検索


    https://issueplusdesign.jp/dementia_world/story/

    書籍「認知症世界の歩き方」著:筧裕介(株)ライツ社より
    • もの忘れがある。
    • 判断力が衰えた。
    • 時間や場所がわかりにくくなった。
    • 怒ってくる。
    • 不安が多い、元気がでない。
    • 何もすることがない。
    • 怖い、うるさい。

    上記は、認知症のご相談の時に、よくお聞きする言葉の一部です。
    例えば、道がわからない時。大きな店で買いたい物の売り場がわからない時。
    トイレの場所がわからない時など、困っている時に、みなさんはどんな気持ちになり、どう声をかけてもらえると安心しますか。
    もの忘れを指摘されるとどんな気持ちになり、どう言葉をかけてもらうと嬉しいでしょうか。

書籍「認知症になっても人生は終わらない~認知症の私が、認知症のあなたに贈ることば~」(著:認知症の私たち 株式会社harunosora)には認知症の方の言葉が掲載されています。

  • これから今まで以上にやりたいことを見つけてがんばっていきたい。
  • 「認知症の人」は普通の人です。
  • 出来ることをうばわないで、出来ないことだけサポートして!!

あさクリ COLUMN「プライマリ・ケア」by院長 浅野

当院の「もの忘れ外来」を受診ご希望の方には、予約をお願いしています。
それは、しっかりとお話を聞かせていただく時間が必要だと考えているからです。
かかりつけの先生がいる場合には、受診前にまずは「かかりつけ医」への相談をお勧めする機会にもなっています。
日々の体調を診ている「かかりつけ医」に今の困りごとを知ってもらうことも大切だと考えているからです。
2022/02/02

1月号 フリーペーパー Vol.70 今とこれからのこと

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生活する中であなたの考え
や想い、気持ちを家族や信頼できる友人、医療・ケアチームと一緒に、繰り返し話し合う取り組みを「人生会議」と言っています。

今とこれからのこと心づもりを話そう!


  • 「あんなことしたいなぁ」「こんなことはしてほしくないなぁ」「好きなことはこれだなぁ」「こんなときには何を選ぶかなぁ」などの思いついたことを、普段からいろんな人と一緒に話しながら、少しずつ、その気持ちを伝え合うことをしていきませんか?
    その話の中には「もしもの時」にどんな医療やケアを受けたいかも含みます。
    誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気やケガをする可能性があります。
    命の危険が迫った状態になると、約70%の方が「どんな治療を受けるか」「どんな生活をしたいか」という希望を伝えることができなくなると言われています。
    前もっての話し合いは必要ないと思われるかもしれません。
    ですが、話し合いをしておけば、万が一あなたが自分の気持ちを話せなくなった時、あなたの心の声を伝えることができるかけがえのないものになります。
    そして、信頼する人があなたの代わりに治療やケアについて難しい決断をする際の重要な助けとなります。
    家族や信頼できる方と、あなたの人生で大切にしている事などを繰り返し話し合う機会を持ってみてはいかがでしょうか?
    ※厚生労働省ホームページを参考に作成

話すきっかけとなるパンフレット「今とこれからのこと」

  • あさのクリニックでは、皆さんと心積もりを話すきっかけとして『今とこれからのこと』という記入ができるパンフレットを作成しました。
    診療の際に患者様や家族と話をするためのものと、啓発配付用の2種類をつくり、順次活用を始めています。
    ご希望の方はお気軽にお声がけください。
2022/01/05

12月号 フリーペーパー Vol.69 尿漏れ

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ご年齢を重ねる(加齢)ごとに、尿漏れの悩みはありませんか。
思わず尿が漏れてしまう、尿失禁を経験したことはありませんか?
尿漏れとは、自分の意志ではないタイミングで、尿が出てしまうことです。

実は尿漏れが気になっている方、いませんか?

腎臓で作られた尿は、膀胱に蓄えられます。
筋肉が伸び縮みする膀胱に尿が溜まると容積が増えます。
ある一定量の尿が溜まると末梢神経から脳に刺激が伝わり、私たちは尿意を感じます。
次に脳からの排尿の指示が神経に伝わり、排尿をします。
その時に、膀胱や尿道括約筋などの筋肉が動くことで膀胱の中の尿が尿道に押し出されて排出されます。
尿漏れは、この排尿までの流れに異常が生じて起こるといわれます。

  • 生活習慣を見直そう
    生活習慣の見直しで尿失禁や頻尿などの排尿症状の改善も認められます。

    • ダイエット
      食事と運動療法で体重減少すれば、尿失禁が減ることが証明されています。
    • 飲水制限
      体重kg×25ml程度を目安にしましょう。取りすぎは頻尿の原因になります。
    • アルコール、カフェインの摂取制限
      利尿作用があります。カフェインはコーヒーだけでなく、栄養ドリンクにも多量に含まれており注意が必要です。
    • 塩分制限
      過剰な塩分は尿量を増やします。
    • 香辛料や酸味の強い食品摂取の制限
      尿意を強くすると言われています。
    • 禁煙
    • 便秘の改善

  • 尿漏れの主な症状

    腹圧性尿失禁
    くしゃみをしたり、重たい荷物を持ち上げたりしてお腹に力が入ると少量の失禁が生じます。
    膀胱の中の尿が腹圧によって押し出されることが原因です。


    切迫性尿失禁、過活動膀胱
    急に強い尿意があり、トイレまで我慢できず失禁してしまうものです。
    尿意は突然襲ってくることが多く、日常生活の外出の時などに影響がでます。


    いつ流性尿失禁
    尿意があり、排尿したいと思っても尿が出ず、あふれるように、尿が少しずつ漏れてしまう尿漏れです。


    機能性尿失禁
    排尿機能ではなく、歩行障害などの身体機能低下、認知症などの精神機能の低下が原因で、トイレまで間に合わず漏れてしまう。トイレ以外で排尿をしてしまうこともあります。

あさクリCOLUMN「ご近所付き合い」by事務長 松本

防災の始まりはご近所付き合いからと言われます。
家庭によって事情は様々なので一概には分かりませんが、確かに寝たきりの家族がいたり、認知症の親と一緒に暮らしていたり、小学校の子供が留守番をしていたり、などと考えると自分が健常でなんとかなると思っても家族みんなが無事に過ごせるかを思うと、考えてしまいます。
でも、こんな話が気軽にご近所とできるといいなぁ、と思うこの頃です。
2021/12/01

11月号 フリーペーパー Vol.68 感染予防

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2020年になり、新型コロナウイルス感染症が流行し、2021年もみんなで感染予防を続けてきました。
これから寒くなる時期は、インフルエンザ、ノロウイルスという感染症が増加する時期になります。
改めて感染予防について確認しましょう。

日頃からできる感染対策を習慣づけましょう!

感染は主に、手を介して感染する接触感染と、飛沫感染が原因といわれています。
接触感染:ウイルスが付いた手指で口や鼻や目に触れて、粘膜などを通じてウイルスが体の中に入り感染することです。
飛沫感染:感染した人の咳やくしゃみで、飛び散った唾液や鼻水などの飛沫が口や鼻にかかる、吸い込むことで感染することです。

  • 特別なことではなく、続けることのできる感染症対策を

    • 手洗い
      接触感染を避けるための基本です。手は多くの場所に触れます。
      外出後、咳やくしゃみ、鼻をかんだ後、食事の前、トイレの後、多くの人が触るものを触った後など、流水と石けんでしっかり手を洗う。
      またはアルコールでの手指の消毒でも構いません。
    • 咳エチケット
      インフルエンザ感染症は症状が出現してから、新型コロナウイルス感染症は発症の2日前から感染力が強くなると言われています。
      咳やくしゃみが出る時は咳エチケットを行い、できれば症状が出る前からマスク(ユニバーサルマスク)をして、飛沫を飛ばさないよう、感染を避ける行動が勧められています。

    新型コロナウイルス感染症予防のために「密」を避けましょう

    • 密閉
      換気の悪い密閉空間での集団感染の事例もあります。
      部屋の大きさに関係なく、意識的に換気をして密閉空間を避けましょう。
    • 密集
      飛沫は2m飛ぶと言われています。
      スーパーのレジ待ちなど、多数が集まる密集場所では、一定の距離を保ちましょう。
    • 密接
      人の会話でも唾液の飛沫は飛び散ります。
      そのため密接した場面での会話は避けましょう。
      対面での会話や発声、面接などやむを得ないときは、マスクを着用し、感染のリスクを下げましょう。

あさクリCOLUMN「つながり」byソーシャルワーカー 向川

認知症の人が、感染症による発熱などの体調不良や便秘などで、イライラしている、そわそわする行動など、いつもと違う言動や行動の変化が起きることがあります。
認知症の症状が変化したということだけに目を向けるのではなく、体の変化、体調の変化がある可能性を考える必要があります。
日頃からの「知っている」「知ってもらっている」つながりが大事です。
2021/11/01

10月号 フリーペーパー Vol.67 予防接種

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予防接種とは、病気に対する免疫をつけたり、免疫を強くするために、ワクチンを接種することをいいます。
接種した方が病気にかかることを予防したり、人に感染させてしまうことで社会に病気がまん延してしまうのを防ぐことを主な目的としています。
病気にかかったとしても、ワクチンを接種していた方は重い症状になることを防げる場合があります。
参考:厚生労働省HP 予防接種情報

予防接種の大切な3つの目的

  1. 自分がかからないために
  2. もしかかっても症状を軽くするために
  3. 家族やまわりの人にうつさないために

予防接種法に基づく定期接種のワクチン

誰もが受けるべき予防接種(A類疾病)
人から人に伝染する、又は病状の重篤になるおそれがあることから集団での予防が必要なもの(病気によって接種時期・期間が決まっています)

  • ジフテリア・百日せき・破傷風・急性灰白髄炎(ポリオ)
  • B型肝炎
  • Hib感染症
  • 小児の肺炎球菌感染症
  • 結核(BCG)
  • 麻しん・風しん
  • 水痘
  • 日本脳炎
  • ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症
  • ロタウイルス
費用の一部に公費負担がある場合の予防接種(B類疾病)個人の発症又はその重症化を防止併せてそのまん延予防が必要なもの
  • 季節性インフルエンザ

    インフルエンザワクチンは、インフルエンザ流行期(12月~3月)の前、毎年10月頃から接種が開始されますので、流行前までに接種を終了させましょう!
    (費用の一部助成は『満65歳以上の方』と、60歳~64歳の方でも『病気や障害により対象になる方』もいます。)

  • 高齢者の肺炎球菌感染症

    A肺炎球菌ワクチンは、日本人の死因第3位です。65歳以上に多い感染症で肺炎球菌によるものが最も多いです。
    肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防し重症化を防ぐワクチンです。
    効果は5年以上持続するといわれています。
    (費用の一部助成は65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳の方と、60歳~64歳の方でも病気や障害により対象になる方もいます)

新型コロナウイルスワクチン

新型コロナウイルス感染症の緊急のまん延予防の観点から実施するものです。(厚生労働省HP:新型コロナワクチンについて)

あさクリCOLUMN「プライマリ・ケア」by院長 浅野

「子宮頸がんワクチン」とよく耳にするHPVワクチンは2013年4月から国の定期接種の予防接種となりました。
子宮頸がんのほとんどは、A類疾病のヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因といわれています。
HPVワクチンはそのウイルスの感染を防ぐ目的としており、日本産婦人科学会をはじめ多くの団体が、子宮頸がん検診による早期発見・早期治療に加えて、HPVワクチン接種による子宮頸がんの発症予防の必要性を発信しています。
2021/10/02