あさのクリニックに事務局がある、総社で認知症を学ぶ会では、昨年に引き続『VR認知症体験会』を平成30年11月17日(土)に開催しました。
(株)シルバーウッド VR認知症プロジェクト https://peraichi.com/landing_pages/view/vrninchisho
今回は、総社市、社会福祉法人総社市社会福祉協議会、一般社団法人吉備医師会と共催。
そして、公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団より助成をいただき、地元医師会、行政を交えた顔の見える多職種連携研修として開催しました。
2回開催し、総社市・倉敷市・岡山市・吉備中央町などの地域から
MSW5名、医師9名、介護職員11名、看護師26名、保健師4名、市役所より5名、ケアマネジャー13名、医療機関事務職6名、支援相談員2名、
生活相談員1名、相談支援専門員3名、理学療法士1名、管理栄養士1名、大学教員1名、マッサージ師1名、薬剤師3名、高校生2名、他(主婦・会社員)6名
の計100名(各回50名)に参加いただきました。
当日は、株式会社シルバーウッド 代表取締役の下河原忠道さんを講師に
VR(バーチャルリアリティ)で、認知症の症状を自分の事として、体験し、認知症の方が抱える困りごととは何かを参加者同士で意見交換。さらに講師の下河原さんの認知症のある方への想い、取り組みなどの言葉の一つ一つが加わることで、今までの考えや想いを大きく変える機会となったようでした。
認知症のVRだけでなく、高齢者住まいにおける看取り、心肺蘇生についても考える機会を頂きました。
一部感想を掲載します。
・医療現場で働いているので認知症について理解できると思っていたが、机上論でしかなかったと反省しています。今回のVR体験により、少しでも認知症患者さんに心から寄り添っていけるのではないかと思った。街で困っている人はいないか、認知症の人よりキョロキョロさがして行こうと思う。認知症の人に対して接する自信につながったと思う。
・体験させていただくことで、今まで(幻視、失認など)ぼんやりとしか認識していなかったことが、こんな風にみえるんだとはっきりと認識することが出来ました。
・看取りのあり方についてもいろいろと考えさせられた。
・看取りについて、「食べないから死ぬのではなく、死ぬために食べなくなる」ということに強く共感した。
・認知症の方の状況がリアリティで明日からの認知症患者さんへの対応が変わる思いです。
・自身の不安を他の参加者で共有し、確認できた。
・毎日、認知症の母と接し、時々いらいらしたりするのがありますが、一番困っているのは、本人だと思います。時間をもって接したいと思います。いつかくる看取りについても話合っていきたいと思います。
・認知症の人の立場に立って考える、ということが今まであまりなかったのでよい経験させていただきました。
・医療現場で体験してきたことがあたり前となっていたことに、今回のVRによって「ハッ」と一般的な感じ方とのギャップを再認識させていただきました。
・今まで介護の視点で接していたこと、必ずしも本人にとって安心させられるものではないと感じました(態度、言葉かけ)。
・認知症本人の見え方を体験することによる動揺、不安、感謝、安心の感情も体験することができた。支援者都合で支援することがないよう今後気を付けていきたいと思った。
・色々な面において意識を変えたり、視野を広げたり、それを個人の問題だけでなく、家族・地域・社会で理解や協力しあっていく体制が大切であると思った。
・終末期、看取りについては本当に重く重要な問題だと思う救命により医療技術の進歩により生かされる時代だが、本当に大切なのはどういき終えるかとそれぞれかんがえなければならない時代だと思った。
前日の16日(金)には総社市・社会福祉法人総社市社会福祉協議会の共催で、住民対象のVR認知症体験会が開催されました。
16日17日の2日間で約200名が体験したことになります。
ご多忙の中、下河原さんは昨年続き、総社に来ていただき、本当にありがとうございました。
この度は、認知症だけでなく、高齢者の看取りについても意見交換する機会となり、これから個人で、職場で、地域で考え、行動するための課題をいただくことにもなりました。
※昨年の開催報告ブログです。
https://asanoclinic.com/report/1740.html
https://asanoclinic.com/report/1715.html