クリニックブログ


見学研修の感想をいただきました⑰

先日、当院に見学に来院された、倉敷中央病院 救急科 田村暢一郎先生より感想をいただきました。

 

今回、倉敷中央病院へタイの救急医2名が3週間の短期留学に来られました。タイは日本ほど高齢化社会ではなく、また医療システムも日本とは大きな違いがあり、慢性疾患や認知症をお持ちの高齢患者さんへの訪問診療はタイでは一般的ではないため、見学のお願いを総社市のあさのクリニック(浅野先生)にお願いいたしました。しかし、かく言う私も日頃は主に救命センターで働いている医師であり、慢性期とくに、自宅に帰られた後の患者さんがどういった暮らしをされていて、どういうことに困られていて、訪問診療が具体的に何の治療を行っているのかを知る機会は今までにほとんどありませんでした。

実際に午前(藤原先生)、午後(浅野先生)の訪問診療に同行させていただき、一番強く思ったことは、訪問診療でカバーしないといけないのは患者さんの身体的側面だけでなく、心理的側面や食事や入浴などの福祉サポート、経済的側面など多岐にわたるということでした。また患者さんだけでなく、ご家族さまの健康や介護による疲労もケアされていました。「病気を治すのではなく、人そのものを治す」ということはよく言われることですが、それを実践するためには、日頃から浅野先生、藤原先生が行われているような診療が必要なのだと実感しました。

しかし、同時にそういった患者さんだけでなく、ご家族までを含めたサポート体制を構築するには、医師だけでなく、看護師、薬剤師、ケアマネ、施設職員ほか、すべての職種とご家族が各自のアセスメントや方針をフランクに伝え合えるようなシステムの必要性を感じました。

日頃私は救命センターで働いていて、実際に診療している目の前の患者さんが救命した後、自宅退院できているのだろうか? 幸せに暮らしていけているのだろうか?と思うことが多々ありますが、実際に自宅退院後の患者さんやそのご家族の声を聞く機会はほとんどありません。しかし、そういった状況は非常に視野の狭い救急医を育成してしまう危険性があります。(かくいう自分もそういった側面があります。)救急医が実際に診療した患者さんが中長期的にどういった生活を送られているのか?を知る機会が増えればいいと思いますし、浅野先生のような地域でプライマリケアを担う先生と救命センターの救急医が患者ベースでもっとコミュニケーションをとれる機会を増やしていきたいです。

今回はタイの先生の見学が目的でしたが、私自身も多くのことを感じることができました。見学を引き受けてくださりありがとうございました。また若手救急医の見学や実習を引き受けてくだされば幸いです。

 倉敷中央病院 救急科 医師

田村暢一郎

 

田村先生ありがとうございました。

 

研修・見学のご希望の方は、当院のホームページの求人情報ページをから、診療研修・見学申込書をダウンロード。 申込書ご記入の後、郵送もしくはFAX頂きますと、改めてご連絡差し上げます。
これまで、医師・看護師・薬剤師・事務職の方、薬学生、医療事務を目指す学生が見学研修に来院しています。

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2017/03/18

映画「風は生きようという」 上映会のお知らせ

人工呼吸器は、呼吸を助ける道具です。
そこから吹いてくる風が人と人とをめぐり会わせてくれます。

追い風は、ときどき前からふいてくる。

もしもあなたが、病気や障害のために身体を動かせなくなったとしたら、どんな人生を想像しますか?映画が映し出したのは、
ふつうの街でふつうの生活を送る人びと。特別なことといえば、呼吸するための道具・人工呼吸器を使用していることくらい。
淡々とその生活を映し出し、歩んできた人生を見つめた時、浮かんできたのは日常の尊さ。たくさんの支援が必要だからこそ、
多くの人に出会え、自由に動くことができないからこそ、生きてあることに感動する。じんわりとこころを揺する、人と人と
が織りなす物語。

もしも あなたに、思うように身体を動かせない、そんな日が来た時は思い出してほしいのです。映画の中を駆け抜けていた、風の音を。
その風に包まれた人と人とが、支えあいながら生きていたことを。

あさのクリニック 相談員 向川です。
上記の文章は、映画『風は生きよという』という映画のチラシから抜粋して文章です。

映画「風はいきよという」上映実行委員会ホームページhttp://kazewaikiyotoiu.jp/
上記ホームページ内、呼吸器情報ページhttp://kazewaikiyotoiu.jp/respiratoryには、呼吸器の情報だけではなく、費用面の事などの在宅生活を行う上で課題についても記載されています。
ドキュメンタリー映画「風は生きよという」予告編動画https://www.youtube.com/watch?v=6lpShtJQdqo&feature=youtu.be

このたび、院長が理事についている、公益財団法人みんなでつくる財団(みんつく)http://www.mintuku.jp/が毎月9日に実施している
【+1セミナー】http://blog.canpan.info/mintukuokayama/category_9/1において、
「映画で学ぼう!」~知っていますか在宅呼吸器との生活~。とテーマに『風は生きよという』の上映会を行うことになり、案内をいただきました。
■日時:平成29年4月9日(日)14:00 ~ 16:00  
     ■場所:岡山大学付属図書館本館3階 B、Cセミナー室
     〒700-0082 岡山県岡山市北区津島中1丁目1-1
     ■参加費:一般 1,500円(寄付含む) 学生 1,100円
     ■申込方法
     参加希望の方はファイスブックの参加ボタンをポチっと押してください!https://www.facebook.com/events/205897103222362/
     メール、電話での参加申し込みも受け付けています!
     その他、ご質問等がある場合は、お気軽にご連絡ください!
     TEL:086-239-0329
     E-mail: info@mintuku.jp

私が、この映画知ったのは、約1年前くらいでした。予告動画をみて、人工呼吸器という言葉とそういう医療機器があることは知っていましたが、
実際の生活については、多くを知っていませんでした。
ぜひ、この映画を見たいと思うようになっていました。
みなさんもいかがですか?


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2017/03/18

見学研修に来院されました⑭

倉敷中央病院救命救急センターに日本の救急医療システムを学びに来日されているタイ王国からの医師2名と
倉敷中央病院救命救急センター田村暢一郎先生が、3月13日訪問診療の実際の見学に来られました。

午前は藤原先生の介護施設、一人暮らし高齢者宅への訪問診療。
午後は浅野院長の自宅での生活をされている、高齢者2人世帯、一人暮らしとの訪問診療に同行してもらいました。

よい実習の中の一つになることが出来たら幸いです。


 

 

 

 

左から、院長、田村先生、タイ王国からの医師2名、藤原先生

 

研修・見学のご希望の方は、当院のホームページの求人情報ページをから、診療研修・見学申込書をダウンロード。 申込書ご記入の後、郵送もしくはFAX頂きますと、改めてご連絡差し上げます。
これまで、医師・看護師・薬剤師・事務職の方、医療事務を目指す学生が見学研修に来院しています。

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2017/03/14

総社介護者の会講演会

平成29年3月2日 標記講演会にお声かけいただき、院長が講演しました。

講演のテーマを
『ささえあい、つながる介護~認知症ケアと在宅医療~』として、
認知症の症状やその方はどんな気持ちか、そして訪問診療という在宅医療について紹介しました。

講演後は、参加者の方々から、現在の介護生活から考えるとこと、以前の介護の振り返りから考えることなど、経験からの深い言葉。

そして、最近よく耳にするようになってきた、『人生最終段階の意思決定』に通ずる意見もでてきた。

講演を行った側でありますが、参加者からの言葉からいろいろ気づくことが出来る場となりました。

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2017/03/04

見学研修の感想をいただきました⑯

先日、見学研修で訪問診療に同行した、就実大学薬学部に在学中の片岡貴史さんより感想をいただきました。

 

あさのクリニック 診療研修・見学 感想文

就実大学薬学部 片岡貴史

 

先立って、この度はお忙しい中、在宅診療に同行させて頂きありがとうございました。患者さんやそのご家族の抱える背景に目を向け、医療者としての倫理的・学術的観点から最善の解決策を熟考し、診療をされていることを実感できました。今後臨床に出てからも、先生に様々な場面でご指導いただけると幸いです。

 

【感想】

この度は、お忙しい中訪問診療に同行させて頂きありがとうございました。浅野先生、あさのクリニックの方々、浅野先生の訪問診療同行の機会を紹介して頂きましたアイ薬局の村木先生に深く感謝致します。

私は薬学を専攻しており、昨年は実務実習を経験させて頂きました。実習では、薬剤師の在宅患者さんの残薬確認、服薬指導等の業務を見学させて頂きました。その経験を通し、薬剤師が地域の中で他職種の方々と共に患者さんに貢献していくことの重要性を感じていました。そんな中今回、浅野先生の訪問診療に同行し、医療者としての心掛けを見つめ直し、臨床で薬剤師として活躍するための勇気を頂けたことをとてもうれしく思います。

今回は6件の訪問診療に同行させて頂きました。居宅療養されている患者さんを4件、グループホームの患者さんを2件訪問させて頂きました。

訪問に際して、まず浅野先生に各患者さんの抱える葛藤や悩みを訪問前に伺いました。それは、老衰されていく親御さんを心配される息子さんであったり、老々介護の形で寝たきりの妻を支えるおじいさんであったり、体や心の障がいが元で家族関係に問題がある老夫婦の方々であったりと、様々な背景を抱えた方々でした。

実際の訪問診療では、浅野先生は、患者さんのお話をじっくりと聞いて、患者さんと信頼関係(ラポール)を形成することを大事にされていました。また、患者さんも浅野先生に画像診断の結果や検査値、今後の治療方針についての相談を患者さん自ら進んでされており、何でも相談できる関係が構築されていることを実感しました。

「浅野先生のおかげでとても症状が良くなった、これからも先生に見てほしい。」とおっしゃっている患者さんもおられ、先生が地域医療にいかに貢献されているか垣間見えることができました。倫理的な面はもちろん、医学的な知識も豊富で、バイタルの確認、検査値の解説など患者さんの不安をしっかりケアされていました。

 近年、薬剤師もバイタルの確認、副作用チェックのためのフィジカルアセスメントをより積極的に行うことが推進されていると思います。私自身そうした医療行為を行い適切な判断ができるのか不安を持っています。

服薬指導・薬学的管理においても、薬が飲用困難や忘却、認知症による理解力の低下で、コンプライアンスが確保できず思い通りにいかないと悩む場面も多いかと思います。しかし、今回の研修を通し感じたことは、勇気を出して患者さんの抱える背景を親身になって考え、患者さんにとっての障害を少しずつでよいので除いていくことの大切さです。そのために必要なことが、浅野先生が実践されていたような、医療者と地域・患者さんとのラポールの形成にあるのだと思います。

最後になりますが、浅野先生に教わった医療者としての心掛けを胸に留め、将来薬剤師としてより良い患者さんケアに貢献できるよう努めていきたいと思います。コミュニケーションの取り方や、医療上の知識に関してもまだまだ勉強不足な面が多々あります。今後とも何かにつけてご指導いただけると幸いです。この度はありがとうございました。

 

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2017/03/02



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