認知症の人とともに生きる
表題は、平成30年4月15日に岡山県高梁市にある、こころの医療たいようの丘ホスピタル主催の
第15回 地域公開講座の講師である高橋幸男先生(エスポアール出雲クリニック 院長)の講演テーマです。
あさのクリニックからは、相談員の向川が聴講してきました。
高橋先生のお名前がこれまでに、書籍やTVなどで見聞きしていました。私の記憶に強く残っているのは、エスポアール出雲クリニックに併設してある、重度認知症デイケア「小山のおうち」を利用されている方の手記を数年前に雑誌でみたことです。
その手記には、ご自身が今感じている心を表現されていたものであり、そこには周囲の方たちの対応に悲しんでいる事などの気持ちがかかれていました。その手記に出会って数年後、念願の高橋先生の講演を聴講する機会となりました。
配布資料の表紙には、
認知症を受け入れる文化の下では 認知症の人は穏やかに生きれる
とありました。この言葉をみて、皆さんはどのように感じますか?
認知症に対する偏見があり、認知症の人を「分からなくなった人」とみなしたり、認知症を「なりたくない病」「なってほしくない病(しっかりしてほしい病)」となっている。
多くの認知症の当事者の方が、書籍などで自分の経験や思いなどを発信しているが、偏見を解消するまでには至っていない状況であること。
事例を交えて、認知症の人の気持ち(不安、孤独など)について、その気持ちの揺れからの『怒り』や『妄想』などの行動が現れる”からくり”について、とても分かりやすく教えていただきました。
先生は、約15年前から、月に1回地域のコミュニティーセンターで「出前交流塾」と始め、『ぼけても笑顔で暮らせる街づくり』(出雲市)の活動を行い、約7000人以上の市民に、認知症の人の気持ちや『怒り』や『妄想』が出現する”からくり”など、認知症の理解になることをを伝えている。
しかし、認知症の理解はまだまだ広がっているとは言えない状況である。その為、活動は理解が広がるまで続ける。とおっしゃっていました。
面接時のご本人の話を聞く事やご家族の相談時の対応などに大変参考となりました。
認知症の人の気持ちを理解し、事務局を担っている「総社で認知症を学ぶ会」を活用し、地域の専門職の方々と一緒に認知症の人も住みやすい地域になるように活動していきたいと思います。
年度末の振り返り
皆さん、こんにちはあさのクリニックの相談員(ソーシャルワーカー)です。
あさのクリニックの平成29年度を振り返ると新しい事に挑戦をした年ではないかと思います。
院内勉強会に日頃お世話になっている訪問看護ステーションの方や他の医療機関の方にも参加いただき、様々な視点を共有した、『医療をするものうけるもの』のDVD上映院内勉強会を平成28年8月に開始しました。
連携している方々と一緒の場を共有することで、様々な職種・立場・個々の思い、気づき、考え方に触れ・出会う機会になり、院内勉強会が期待以上の結果になったのではないかと思います。
さらに、任意団体の「総社で認知症を学ぶ会」の事務局を担当し、日頃連携している医療機関の方のご協力をもらい、2つのイベントを実施しました。
1つ目は平成29年9月16日の『VR認知症体験会@総社』です。
医師、看護師、作業療法士、MSW、ケアマネジャー、地域包括職員、特養職員、薬剤師、社協職員、老健職員、グループホーム職員、訪問看護師、行政職員、デイサービス職員、小規模多機能職員、団体職員、有料老人ホーム職員、中学生の医療介護専門職を中心とした93名の方に参加いただきました。
認知症をバーチャルリアリティ技術使い、認知症の方の不安な気持ちを、『聞く』ではなく、『体験』することと、講師の株式会社シルバーウッドの下河原忠道さんの講演が加わり、自分が認知症に対して持っているイメージを知り、そのイメージが変化し、認知症の方と一緒に生活する事、認知症の方の不安に心を寄せて支援をすることについて考える機会となりました。
VR認知症体験会@総社のご報告 https://asanoclinic.com/report/1715.html
心を寄せる ~VR認知症体験会@総社開催しました~https://asanoclinic.com/report/1740.html
2つ目は平成30年3月18日には、『映画「ケアニン」上映会』の開催です。
認知症の方の利用する介護事業所で働く、新人の介護福祉士を主人公にした映画です。ある認知症の利用者への支援から、介護福祉士としての成長を描いている映画です。
認知症に対する介護(ケア)について、『認知症で人生終わりなんて、僕がさせない』という映画の紹介するセリフなど、多くの場面や多くの深い言葉に触れ、様々なことを考えることができる内容でした。
多くの方からのご協賛をきただき、総社市民会館を会場に入場料無料で開催し、358名という多くの方と一緒に感動の映画をみることができました。
映画「ケアニン」上映会を開催しました。https://asanoclinic.com/info/2207.html
平成30年度も引き続き、認知症についての理解を増やすこと、認知症の支援について考えることのできる場などの企画を検討していきたいと思います。
新年度の最初のあさクリフリーペーパー4月号は、4月2日から配布開始します
映画「ケアニン」上映会を開催しました。
あさのクリニックが事務局の「総社で認知症を学ぶ会」は、平成30年3月18日に岡山県総社市の総社市民会館を会場に、
映画「ケアニン」上映会を予想を上回る300名以上の方のご参集を頂き、無事に開催することができました。
今回の上映会開催に際し、多くの皆様よりご協力とご協賛をいただき開催できたこと、この場をお借りし、御礼申し上げます。
ご来場いただいた方は、普段から『ケア』に携わっている医療介護関係の方だけでなく、10歳未満のお子さんから80歳以上の方まで幅広い年齢層の方も多くご来場いただいたこと大変感激しています。
「認知症で人生終わりなんて、僕がさせない」 上映会のチラシにも記載のある印象的な言葉です。
その他にも、多く場面や多くの印象深い言葉に触れ、多くの事を感じ、老いること、心を寄せること等、多くの事を感じる内容でした。
上映会終了後は、映画を見た感想や思いを語る場の意見交換会では、多くの方に参加いただき、短い時間でしたが、映画の内容にとどまらず、健康の事など多岐にわたる話をする機会となりました。
今回この「ケアニン」で感じた、考え方、想いなどを忘れず、認知症のケアについて学んでいきたいと思います。
映画「ケアニン~あなたでよかった~」公式ページhttp://www.care-movie.com/
各地の上映会スケジュールhttp://www.care-movie.com/screening/schedule.html
予告ムービー http://www.care-movie.com/movie/
上映会開催にあたり、お祝いのメッセージを頂きました。ありがとうございました。
見学研修に来院されました㉒
平成30年3月14日に昭和大学 薬学部の学生の横田さんが1日見学研修に来院されました。
将来、薬剤師として地域医療に貢献していきたいというご希望があるとのこと。
午前中は外来診療の診察室に同席、午後からは訪問診療に同行してもらいました。
午後からは、臨時往診の追加、診療の結果入院調整が行われる場面があるなど、普段の訪問診療とは違った日でした。
研修・見学のご希望の方は、当院のホームページの求人情報ページをから、診療研修・見学申込書
をダウンロード。 申込書ご記入の後、郵送もしくはFAX 頂きますと、改めてご連絡差し上げます。
これまでに、医師・医学生・看護師・薬剤師・MSW・事務職の方、医療事務を目指す方、社会福祉士を目指す方が見学研修に来院し
ています。
現在、あさのクリニックでは、一緒に診療を行う医師(常勤・非常勤)の募集を行っています。
https://asanoclinic.com/recruit/doctor.html
見学研修の感想文をいただきました㉗
先日2018年3月14日、昭和大学薬学部の横田さんに見学にお越しいただきました!
とても有難い感想文をいただき、身が引き締まる思いです。
このように見学に来ていただき、気づいたことを伝えていただけると、私たちにとって「当たり前」になってしまっていることの価値を再発見させていただける良い機会です。
横田さんにとって、何かを得ていただく機会となれたら、とても嬉しい限りです。
今後も、多くの方々の見学をお待ちしています(^^)/
・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
この度はお忙しい中、外来診療と訪問診療に同行させていただき、ありがとうございました。
いつになくお忙しい日に訪問してしまいご迷惑をおかけしたことと思いますが、私にとっては、様々な患者様とのコミュニケーションを見学させていただくことができ、大変勉強になりました。
午前は外来診療の見学をさせていただきましたが、まず一人ひとりに費やす診察の時間が長いことに驚きました。
患者様の訴えや悩み事を親身に聞き、患者様が納得するまで対応する姿勢が印象的でした。
そのような診療スタイルのためか、受診する患者様は皆笑顔で入室してくるように思えました。
体調不良でやっとの思いで来院した患者様が、笑顔で入室して来られるのは、浅野先生に診てもらえる、話を聞いてもらえるという喜びからだと思います。
そのような人間関係を構築しているものは、互いの「信頼」だと感じました。
地域に根付いた医療を実践するためには、「信頼」は必要不可欠だと思います。
私は外来診療の現場で、患者様から「信頼」を得るために、患者様とのコミュニケーションを密に行い、話しやすい雰囲気作りがとても重要だと学びました。
午後には訪問診療に同行させていただきました。
訪問診療では、患者様が動けなかったり、理解ができなかったりするため、ご家族とお話する機会が多かったですが、
外来と同じように訪問診療でも訪問先の患者様あるいは患者様のご家族が笑顔で迎え入れてくださったことが、強く印象に残っています。
苦痛を伴う処置をしても、終わってしまえば笑顔が戻る、そのような場面を目の当たりにし、ここでも患者様の「信頼」が高いと実感しました。
これから、高齢化が加速し、病院にすら通えない患者が急増することが予想されていますが、
貴クリニックのようなチームで行う診療体制は、地域医療を支えるためにとても重要だと感じました。
今回の研修を経て、患者様が少しでも幸せに過ごせるように、私は薬剤師として貢献できればと思いました。
患者様が自然と笑顔で毎日を送れ、困ったことがあってもなくても気軽に薬局に立ち寄ることができるような薬局作りができる薬剤師を目指して、努力していきたいと思います。
この度は本当にありがとうございました。あさのクリニック様の更なるご発展とあさのクリニックのスタッフの皆さま、患者様のご多幸をお祈り申し上げます。
・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―