人生会議してみませんか?
あさのクリニックソーシャルワーカーです。
令和元年6月22日に、地域の方と専門職の方が同じ時間・同じ話を聞く場の地域交流会を、あさのクリニック近くの
FLCB(FUN LIFE Center Building)を会場に開催し、55名の方に来場いただきました。
福井県で地域医療を展開されている、オレンジホームケアクリニックのソーシャルワーカーの西出真悟さんをお迎えし、
「みんなで学ぶ人生会議」をテーマに講演をいただきました。
人生会議とは、万が一の時に備えて、あなたの大切にしていることや望み、どのような医療やケアを望んでいるかについて、
自分自身で考えたり、あなたの信頼する人たちと話し合ったりすることを「アドバンス・ケア・プランニング」といいます。
この「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」という専門用語が、より親しみやすい言葉にしましょうということで、『人生会議』に決まりました。
・胃ろうや延命治療の選択など具体的な処置を決める事前指示書の形ではなく、一緒に話し合う時間や雰囲気を含め、話し合いを継続する過程の事を、アドバンス・ケア・プランニングといいます。
>自分がどのように生きたいかを考える
>あなたが大切な話を伝えたい人は誰ですか?…息子?娘?夫?妻?友人?近所の人?
>その生き方を選んだ理由はなにか?
>自身の想いを、大切な人に伝えましょう!!
>みなさんは、医療者に将来のことについて相談したことがありますか?
>どのように人生を歩みたいかについても、医療者に伝えるようにしましょう。
>想いは変化する。大事なことだからこそ、迷って当然。
など、多くの言葉から、参加者の皆さんは、「人生会議」という言葉を知る機会だけでなく、考える機会になったのではないかと思います。
多くの方にご参加いただき、本当にありがとうございました。
今回の地域交流会が、地域の皆さんが、ご自身の事を考え、家族や信頼する人、医療者と話をするきっかけの一つになれば幸いです。
あさのクリニックのソーシャルワーカーとしての仕事の振り返り、新しい気づき・知識を得る機会にもなりました。
印象に残り、思わずメモした言葉の一つを紹介します。
ある方のエピソード紹介の中の 『病気は、本人からも「自分らしさ」を奪う』。 だからこそ、元気な頃から話し合っていたこと、その言葉・内容が大事になる。
西出さんには、今回の地域交流会の前の時間には、当クリニックの職員向けの研修の講師もしていただき、職員研修・地域交流会ともに、
あさのクリニックがたくさんの刺激をいただく特別の日になりました。
本当にありがとうございました。
オレンジホームケアクリニック https://www.orangeclinic.jp/
Be Happy
VR認知症体験会@総社開催報告(助成:公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団)
あさのクリニックに事務局がある、総社で認知症を学ぶ会では、昨年に引き続『VR認知症体験会』を平成30年11月17日(土)に開催しました。
(株)シルバーウッド VR認知症プロジェクト https://peraichi.com/landing_pages/view/vrninchisho
今回は、総社市、社会福祉法人総社市社会福祉協議会、一般社団法人吉備医師会と共催。
そして、公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団より助成をいただき、地元医師会、行政を交えた顔の見える多職種連携研修として開催しました。
2回開催し、総社市・倉敷市・岡山市・吉備中央町などの地域から
MSW5名、医師9名、介護職員11名、看護師26名、保健師4名、市役所より5名、ケアマネジャー13名、医療機関事務職6名、支援相談員2名、
生活相談員1名、相談支援専門員3名、理学療法士1名、管理栄養士1名、大学教員1名、マッサージ師1名、薬剤師3名、高校生2名、他(主婦・会社員)6名
の計100名(各回50名)に参加いただきました。
当日は、株式会社シルバーウッド 代表取締役の下河原忠道さんを講師に
VR(バーチャルリアリティ)で、認知症の症状を自分の事として、体験し、認知症の方が抱える困りごととは何かを参加者同士で意見交換。さらに講師の下河原さんの認知症のある方への想い、取り組みなどの言葉の一つ一つが加わることで、今までの考えや想いを大きく変える機会となったようでした。
認知症のVRだけでなく、高齢者住まいにおける看取り、心肺蘇生についても考える機会を頂きました。
一部感想を掲載します。
・医療現場で働いているので認知症について理解できると思っていたが、机上論でしかなかったと反省しています。今回のVR体験により、少しでも認知症患者さんに心から寄り添っていけるのではないかと思った。街で困っている人はいないか、認知症の人よりキョロキョロさがして行こうと思う。認知症の人に対して接する自信につながったと思う。
・体験させていただくことで、今まで(幻視、失認など)ぼんやりとしか認識していなかったことが、こんな風にみえるんだとはっきりと認識することが出来ました。
・看取りのあり方についてもいろいろと考えさせられた。
・看取りについて、「食べないから死ぬのではなく、死ぬために食べなくなる」ということに強く共感した。
・認知症の方の状況がリアリティで明日からの認知症患者さんへの対応が変わる思いです。
・自身の不安を他の参加者で共有し、確認できた。
・毎日、認知症の母と接し、時々いらいらしたりするのがありますが、一番困っているのは、本人だと思います。時間をもって接したいと思います。いつかくる看取りについても話合っていきたいと思います。
・認知症の人の立場に立って考える、ということが今まであまりなかったのでよい経験させていただきました。
・医療現場で体験してきたことがあたり前となっていたことに、今回のVRによって「ハッ」と一般的な感じ方とのギャップを再認識させていただきました。
・今まで介護の視点で接していたこと、必ずしも本人にとって安心させられるものではないと感じました(態度、言葉かけ)。
・認知症本人の見え方を体験することによる動揺、不安、感謝、安心の感情も体験することができた。支援者都合で支援することがないよう今後気を付けていきたいと思った。
・色々な面において意識を変えたり、視野を広げたり、それを個人の問題だけでなく、家族・地域・社会で理解や協力しあっていく体制が大切であると思った。
・終末期、看取りについては本当に重く重要な問題だと思う救命により医療技術の進歩により生かされる時代だが、本当に大切なのはどういき終えるかとそれぞれかんがえなければならない時代だと思った。
前日の16日(金)には総社市・社会福祉法人総社市社会福祉協議会の共催で、住民対象のVR認知症体験会が開催されました。
16日17日の2日間で約200名が体験したことになります。
ご多忙の中、下河原さんは昨年続き、総社に来ていただき、本当にありがとうございました。
この度は、認知症だけでなく、高齢者の看取りについても意見交換する機会となり、これから個人で、職場で、地域で考え、行動するための課題をいただくことにもなりました。
※昨年の開催報告ブログです。
https://asanoclinic.com/report/1740.html
https://asanoclinic.com/report/1715.html
映画「ケアニン」上映会を開催しました。
あさのクリニックが事務局の「総社で認知症を学ぶ会」は、平成30年3月18日に岡山県総社市の総社市民会館を会場に、
映画「ケアニン」上映会を予想を上回る300名以上の方のご参集を頂き、無事に開催することができました。
今回の上映会開催に際し、多くの皆様よりご協力とご協賛をいただき開催できたこと、この場をお借りし、御礼申し上げます。
ご来場いただいた方は、普段から『ケア』に携わっている医療介護関係の方だけでなく、10歳未満のお子さんから80歳以上の方まで幅広い年齢層の方も多くご来場いただいたこと大変感激しています。
「認知症で人生終わりなんて、僕がさせない」 上映会のチラシにも記載のある印象的な言葉です。
その他にも、多く場面や多くの印象深い言葉に触れ、多くの事を感じ、老いること、心を寄せること等、多くの事を感じる内容でした。
上映会終了後は、映画を見た感想や思いを語る場の意見交換会では、多くの方に参加いただき、短い時間でしたが、映画の内容にとどまらず、健康の事など多岐にわたる話をする機会となりました。
今回この「ケアニン」で感じた、考え方、想いなどを忘れず、認知症のケアについて学んでいきたいと思います。
映画「ケアニン~あなたでよかった~」公式ページhttp://www.care-movie.com/
各地の上映会スケジュールhttp://www.care-movie.com/screening/schedule.html
予告ムービー http://www.care-movie.com/movie/
上映会開催にあたり、お祝いのメッセージを頂きました。ありがとうございました。
「優しさを伝える技術:ユマニチュード」伝達講習を行いました!
2月13日(火)に当院から3名のスタッフが、『優しさを伝える技術:ユマニチュード』(@岡山大学)に参加させていただきました。
著名なYves Gineste(イヴ・ジネスト)先生と本田美和子先生による贅沢な研修でした!
昨日は、この研修の院内伝達講習として、当日参加したクリニックスタッフによる院内向け講習を行いました。
ユマニチュードとは、フランスで生まれた認知症ケアの手法で、「人間らしいケア」を重要な価値観としています。
その手法・技術は400にも及ぶと言われています。
この技術は「見る」「話す」「触れる」「立つ」という4つが柱になっているそうです。
院内研修では、ユマニチュードの概要の説明、動画視聴、実演、振返りという内容を30分で行いました。
動画で見ると、ユマニチュードの効果にビックリします!
気が立っているように暴言を放っていた方が穏やかになり、フレンドリーになる姿。
このような変化を見ると、ホッとした気持ちになります。
「人間らしいケア」というと、どこか「それは当たり前にやることでしょ」と思ってしまいがちですが、
認知機能の低下している方にとって、些細な関わり方の行き違いが不安を助長させてしまうようで、
それが募ると「人間らしいケア」にならなくなってしまいます。
例えば、患者様に横から声を掛ける。その方に近寄って寄り添うように声を掛けるその姿は一見良い対応のように思いますが、
認知機能の低下によって視野が狭くなっている方にとって、横から声を掛けられることは、
私たちにとっては背後から突然声を掛けられるようなものでしょう。
動画を見たり、講演を受けてきたスタッフに実例のデモンストレーションをしてもらったりしながら、
どのような関りを目指すか、職員全員で考える時間でした。
昨年には「VR認知症体験会」を、そして来月3月18日(日)には映画『ケアニン』の上映会を総社市民会館で行います。
今後も院内・院外でこのような活動を通じて、「年をとっても 病をもっても 今を生きる 喜びの支援」を行っていきます!
<VR認知症体験会についての記事> https://asanoclinic.com/report/1715.html
<ケアニン上映会についての記事> https://asanoclinic.com/info/1968.html
イベント名:映画「ケアニン」上映会
日時:平成30年3月18日(日)14時00分~16時00分(開場13時00分)
会場:総社市民会館(駐車場には限りがありますので、車でのご来場はお控えいただくと幸いです。会場は総社駅から徒歩約10分です。)
入場料:無料
申込:不要(当日受付先着順です。会場がいっぱいの場合は入場ができません)
主催:総社で認知症を学ぶ会 共催:藤井クリニック つばさクリニック あさのクリニック
後援:総社市、社会福祉法人総社市社会福祉協議会
協賛:ありがとうございます。
このような研修、イベントを積極的に開催してるクリニックです。
医師の方、常勤・非常勤問わず募集中です!
詳細はこちらから ⇒ https://asanoclinic.com/recruit/doctor.html
おかやまJMAT研修会に参加してきました!
こんにちは!事務長の椎野です。
今日は朝から1日、川崎医科大学附属病院で、おかやまJMAT研修会に参加してきました!
JMAT(Japan Medical Association Team;日本医師会災害医療チーム)は、日本医師会により組織される災害医療チームです。
出動チームは、日本医師会からの要請に基づいて都道府県医師会単位で支援チームが組織されます。
今回は、災害医療概論、JMATの仕組み、避難所における公衆衛生などをはじめとした座学と、
机上シミュレーションのグループワークを行いました。
70名近い参加者が県内から集まりました。
インストラクターの方々はご経験豊富ですが、参加者の方の中にも東日本大震災や熊本地震の際に出動された方もいらっしゃり、
とても勉強になりました。
今日印象的だった言葉は「日頃できないことは非常時にもできない!」というものです。
当たり前なのだけれど、つい忘れてしまうことです。
災害時のことを常日頃から意識することはなかなか大変ですが、災害時に自分たちだけで診療を継続できるとは限らないため、
近隣の医療機関をはじめとして地域の方々と情報共有をできる関係を築くことは大事だと思いました。
「岡山は地震が少ないよ」と、こちらに移住してきた時に教えていただくことがよくありました。
それに安心し過ぎて油断してはいけないですし、災害は地震だけではありません。
平時はもちろんのこと災害時にも、患者様、ご家族をはじめ地域の方々をご支援できる存在であるために、
整えておくことがたくさんある!と学び多い1日でした。