クリニックブログ


訪問バッグをご紹介します!

投稿日:2021/10/22
更新日:2026/03/31

ご自宅や施設様を伺って診療をさせていただく訪問診療。
今回は、訪問時にお持ちするバッグの中身を大公開!

訪問診療では、通院が困難な方の居宅(自宅をはじめ親戚の家、老人ホーム、グループホームなど)にお伺いし、診療を行っています。また、緊急時には24時間365日体制で対応、必要に応じて臨時往診や入院先の手配なども行っています。

診療は、定期的な体調管理の他に、傷の処置や点滴など日々あらゆる状況がありますが、その場である程度の状況に対応にできるよう多くのものを持参しています。
今回は、その要である2つのメインバッグをご紹介いたします。

まずは左の大きな黒いバッグ。なんとその重量は約8㎏!!
バッグには写真のようなものが入っています。

訪問バッグの中身紹介
※クリックで拡大

針セット、シリンジセット、導尿セット、採血セットと分けたケース、採血で使用した針を破棄するボックス(ハリクイ)、印鑑などが入っています。バッグの中は、大小様々なケースを使用し、分かりやすく取り出しやすい工夫をしています。

たくさんのポケットもフル活用しています。外ポケットには死亡診断書やお知らせの書類、血圧計、聴診器、手拭きシートなどを入れています。
“うんこ”と見えるのは、当クリニックのフリーペーパーの「うんこ」の記事を活用して、排便状況を確認する際に、便の形を確認するときに活用しています。
長細い蓋の裏には、当院の看護師が手縫いでネットポケットも作成してくれました!

こちらはケースの中身です。持針器、メス、鑷子(ピンセット)などを入れ、蓋の裏側には手作りで、ステリテープ(皮膚接合用テープ)などの処置に使用するものを挟んで収納できるようにしています。

次は、右の白のケースを紹介します。こちらには、点滴、抗生剤などの薬剤が入っています。

訪問ケースの中身紹介
※クリックで拡大

こちらも小分けできるケースを活用しています。重さは、約7.5㎏!やはり重い!!

紹介をしたバッグとケース、持ち運び用のエコー、採血をしたものを運ぶ保冷バックや新型コロナウイルスのPCR検査キットを持参する保冷バッグ、体重計を持参することもあります。
看護師に一人で訪問診療に際に持ち出すものをもってもらいました。

腕がムキムキになりそうです。。
実際の訪問診療は、医師と看護師と他スタッフ(事務や相談員)の3名や医師と看護師の2名や医師とスタッフの2名での訪問するため、一人でこの荷物をもつことはもちろんありませんよ。
また、自宅内に持ち入るものは、状況に応じてバッグだけのこともあります。

Print Friendly, PDF & Email
2026/03/31

3月号 フリーペーパー Vol.120 フレイル

この記事を開く

『年を重ねるにつれて、身体的・精神的・社会的な機能が衰えていく状態』のこと。放置すれば要介護状態に進行する可能性がありますが、早期に対応することで、進行を抑えたり、状態の改善が期待できる段階です。

これまで身体の衰えと認知機能の低下は別々に考えられてきましたが、近年、両者が重なると要介護状態への移行が大きく高まることが分かってきました。身体機能と認知機能は相互に影響し合うため、一体として捉えることが重要です。

認知的フレイルは、適度な運動や社会参加、人との交流、会話、読書など日々の生活で頭を使うことにより、改善や進行抑制が期待できます。あらためて「体と脳の健康」に早期に気付き早期に支える重要性が高まっています。

フレイル予防のカギは、「栄養」「運動」「社会参加」。毎月発信している管理栄養士ブログでは、体と心を整える食と暮らしのヒントをお届けしています。

など、すぐに実践できる内容をわかりやすくお届けしています。
3月は握力と健康寿命がテーマ。今日からできる簡単ケアや、握力と全身の健康との関係など、毎日の生活習慣の積み重ねが握力に表れることを開設しています。

 

参考:
・厚生労働省「フレイル対策の手引き(令和6年度版)」
・国立長寿医療研究センター「知って防ごう!フレイル」特設ページ
・日本老年医学会:高齢者の包括的フレイル評価(CGA)指針

Print Friendly, PDF & Email
2026/03/04

握力と健康寿命

あさのクリニック管理栄養士です。

毎年3月になると「奈良のお水取りが終わるまでは寒い」という母の口癖がでます。関西特有の言い回しのようです。
『お水取り』とは、奈良東大寺で行われる「修二会」のことで、752年から一度も途絶えることなく続く伝統行事です。二月堂の本尊である十一面観音菩薩に対し、人々の過ちを懺悔し、国家の安泰や五穀豊穣を祈る法要です。
3月1日から14日まで開催され、12日の深夜に『お水取り』という儀式が行われます。

話は変わりますが、先日、学生以来久しぶりに握力測定をしました。
それをきっかけに握力について調べてみるとおもしろいことがわかりました。

握力は、健康寿命のカギとなるのはご存じですか?

握力測定

握力は単なる手の力ではない!?

握力と聞くと、「力仕事をする人や筋トレをしている人の話でしょ?」「年をとったら弱くなるのは当たり前」と思われるかもしれません。

でも実は、握力はこれから先、どれくらい元気にくらせるかを教えてくれるとても大切な目安だということが世界中の研究でわかってきています。

握力が弱いと何が起きやすい?

近年の研究では、握力が弱い人ほど、

  • 病気になりやすい
  • 入院や介護が必要になる可能性が高い 
  • 心臓や血管の病気、呼吸器の病気のリスクが高い
  • 全体的に「体の回復力」が落ちやすい

といった傾向があることが報告されています。
つまり、握力は「手の力」だけでなく、身体全体の元気度を反映していると考えられているのです。

握力と年齢は関係ある?

確かに、年を重ねると筋力は少しずつ下がっていきます。しかし、同じ年齢でも握力に大きな差があることがわかっています。
その差を生むのは…

  • 日常的に体を動かしているか
  • 食事がきちんととれているか
  • 生活リズムが整っているか

といった、日々の暮らし方です。
つまり、握力は年齢そのものよりも、これまでの生活の積み重ねが表れやすい部分なのです。

自宅で簡単にできる握力ケア

握力は、特別な器具や激しい運動をしなくても毎日のちょっとした動きで十分に保つことができます。
大切なのは、以下の3つです。

力いっぱいやらない
痛みが出ない
気づいたときに少し動かす

タオル握り(1日1~2分)

用意するもの:フェイスタオル1枚

  1. タオルを軽く丸め、片手でぎゅっと握る。
  2. 3秒数えてゆるめる。
  3. これを5〜10回繰り返し、反対の手も同じように行う。
タオル握り

 *全力の6〜7割くらいの力で十分です。
  息は止めずに自然に呼吸をしながら行いましょう。

グーパー体操

  1. 手を前に伸ばして、指を思いっきり開く。
  2. ゆっくりグーにする。
  3. これを10回程度繰り返す。
    (親指が中、外交互になるようにグーにするのがおすすめ)

 *開く動きを意識すると血のめぐりもよくなります。
  テレビをみながらやってみましょう。

グーパー体操

年代別平均握力

以下は年代別の握力の平均値です。握力を測ることがあれば参考にしてください。

年代別平均握力
握力測定

さいごに

私は左右の握力が、31㎏くらいと嬉しい驚きでした。

握力体操をしているわけではないのですが、考えてみると布巾やタオルをよく絞っている気がします。
トイレが和式から洋式になり下半身や骨盤底筋の衰えに影響するように、雑巾がけだった掃除が掃除機やお掃除ワイパーなどを使うことにより、あまり手を使って絞るという行為をしなくなった結果、握力の衰えにつながっている可能性も否定できないと感じました。

握力(雑巾絞り)

手は『第2の脳』とも呼ばれています。
手指を使うことにより脳が活性化され、認知機能の向上、認知症予防にもなります。

暖かくなってから運動を始めようと思われている方!今日からお部屋の中で握力体操を始めてみませんか?

Print Friendly, PDF & Email
2026/02/27

2月号 フリーペーパー Vol.119 認知症

この記事を開く

近年、あらためて注目されているのが、日常生活と認知症の関係です。特に重要とされているのは、適度な運動(散歩など)、バランスの良い食事、高血圧・糖尿病の管理、人とのつながりなど中年期以降の生活習慣が、その後の認知症リスクに大きく影響することがわかってきました。

認知症は「早めの気づき」が大切です。

  • もの忘れで生活に困り始めた
  • 同じことを何度も繰り返す
  • 時間や予防が分からなくなる
  • 不安や怒りっぽさが続いている
  • 家族が変化に気づいている

これらがあてはまっているからといって、必ずしも認知症とは限りませんが、早期発見・早期対応で進行を遅らせることができる場合もあります。「もしかして認知症では」と思われる症状に気付いたら、まずは日々の体調を診てもらっている「かかりつけ医」に、今の困りごとについて相談をしましょう。かかりつけが無い方は、地域の認知症相談窓口である地域包括支援センターでも相談が可能です。

バランスの良い食事を心がけ、高血圧や糖尿病などの生活習慣病をきちんと管理することは、認知症の予防にもつながる大切なポイントです。「毎日少し外に出る」「買い物のついでに歩く」といった小さな習慣が大切です。
無理な制限ではなく、「できることを、できる範囲で続ける」ことが大切です。

最近の研究では、人との会話や交流が、脳の働きを活発にすることがわかってきました。また、強い孤独感がある人は、認知症の発症リスクが高くなることもわかっています。ご家族との会話、友人とのおしゃべり、地域の集まりへの参加など、人と関わる時間そのものが、脳の健康を守る力になります。

出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」「フレイル予防に関する情報」「認知症施策(社会参加の推進)」を参考に作成

Print Friendly, PDF & Email
2026/02/02

冬に起こる「味覚のバグ」

あさのクリニック管理栄養士です。

冬になるとやたらと甘いものが欲しい
濃い味じゃないと満足できない
外食がいつもよりおいしく感じる

など、味が違うと感じることはありませんか?

実はこれ、気のせいではなく「冬は味覚が変化しやすい」という科学的根拠があるんです。 今回は、そんな「冬の味覚のバグ」を解説していきます。

味を感じるとき、私たちは舌だけを使っているわけではありません。
舌の味蕾(みらい:味を感じる細胞)、料理の温度、香り、血流、自律神経、脳の状態、たくさんの要素が合わさって “味” が生まれています。
冬はこれらの条件が全て変化します。

味蕾の機能低下

冬の乾燥は口内の粘膜を弱らせます。味蕾は水分と血流がないと十分に働きません。冬は空気が乾燥している上に暖房などで室内はさらに乾燥し、味を感じにくくなります。冷え性、低血圧の人は特にこの影響を受けやすくなります。

この結果、味を濃くしないと「味がする」と認識できにくくなります。

温度による味覚の変化

冬は料理が冷めやすいですよね。この冷たさが味覚に影響を与えます。

甘味:冷たいほど感じにくい
塩味:冷たいほど弱くなる
苦味:冷たいほど強く感じる
旨味:温度変化の影響が少ない

つまり、冬は自然と甘味、塩味を「もっと欲しい」と感じやすくなります。

鼻が乾くと、味も薄くなる

味の約7割は「香り」で感じていると言われています。
冬は、鼻やのどが乾燥しやすい、湿度が低い、風邪を引いて鼻が詰まりやすいなど、香りをキャッチする力を弱めてしまいます。

香りが弱い → 味がぼやける、という流れで気づかないうちに調味料が増えてしまうことがあります。

日照時間の少なさと甘味欲の関係

冬になると日照時間が短くなり、脳内のセロトニンが減りやすくなります。
セロトニンが少なくなると、気分が落ちやすい、イライラしやすい、やる気が出にくい…などの状態になりやすく、脳は「早く気分をあげられるもの=甘味」を求めるようになります。

冬の「甘い物が止まらない…」は、心の弱さではなく脳の自然な反応なのです。

冬の味覚の整え方

温かい料理を中心にする

料理の温度をあげるだけで、味覚の感度がぐっと戻ります。

スープや鍋、蒸し野菜などの温かい料理をいただきましょう。
片栗粉でとろみをつけるのもおすすめです。

香りの力を借りる

香りが脳を刺激して「美味しい」と判断します。薄味でも香りで満足度をアップしてくれます。

昆布、鰹

グルタミン酸、イノシン酸
の旨味で相乗効果

干し椎茸

グアニル酸で植物性でも
深いコク

柑橘類

塩分がなくても
爽快感アップ

ハーブ

香りが脳の報酬系を
刺激します

乾燥対策

乾燥の定義は湿度が50%以下とされています。40%以下になるとウィルスも増殖しやすくなります。

加湿器をつけたり、濡れたタオルを部屋にかけるなどして湿度を保ちましょう。

また、温かい飲み物をこまめに飲むなどして、舌の乾燥対策も大切です。

軽い運動で血流をよくする

味蕾は、血液で栄養が運ばれます。

「血流が悪い = 味覚が鈍る」ということに。

食後の散歩や、デスクワークの合間の肩甲骨回し、TVを見ながら足首回しなど、すきま時間を見つけて体を動かしましょう。

日光を浴びて睡眠を整える

甘いものへの欲求は、ストレスと睡眠不足で強くなることが知られています。

日光を浴びる → セロトニン産生 → 夜メラトニンを産生 → 睡眠

この流れが安定すると甘いものへの衝動も落ち着いてきます。

メラトニンはセロトニンを原料とし、朝日を浴びてだいたい15時間後(就寝の1~2時間前)くらいからメラトニンの分泌が活発になり眠くなります。

さいごに

味覚が鈍る時期 = 逆にケアの効果を感じやすい時期です。

温かく、香りを楽しみ、潤し、動き、眠る。

どれも特別なことではなく、「冬の体を優しく扱う暮らし」です。

味覚が整うと、少しの甘味や塩味でも満足でき、食材そのものの味や香りを楽しむことができます。

冬は味覚を育て直すチャンスかもしれません。無理せず日々の習慣の中で整えていきましょう。

Print Friendly, PDF & Email
2026/02/01

採用情報(医師募集) 採用情報(看護師募集)